ノリで始めた放課後のかくれんぼで

教室

 

私が高校2年生の冬に体験した話です。

 

当時の私は部活などはやっていなくて、

放課後にはいつも、

 

仲良しのメンツ5人で集まって

よく遊んでいました。

 

その日は雨ということもあり、

 

部活のある生徒以外は

すぐに下校していたのですが、

 

ノリでかくれんぼをしようってことになり、

校内ですることにしました。

 

じゃんけんで負けたI君が鬼になり、

みんなバラバラに校内に隠れたんです。

 

私は臆病だから、

 

暗く、人が少ない校内で

一人で居たくなかったため、

 

友達のAちゃんを探して

一緒に隠れようと思いました。

 

携帯で電話をし、

どこにいるか聞いたところ、

 

『2-Cに隠れてる』

 

と教えてくれたので

すぐ2-Cに行くと、

 

電気の消えた真っ暗な教室の奥に、

Aちゃんが隠れていました。

 

外も暗く、

お互いの顔もよく見えない状態で、

 

ヒソヒソと話しながら隠れていました。

 

「かくれんぼ楽しいね」

 

A「うん」

 

「でもちょっと怖いね」

 

A「うん」

 

「・・・幽霊とか出てきそう」

 

A(なんか呟いたけど聞き取れない)

 

暗くてよく見えなかったものの、

 

その後Aちゃんは無言で、

私の方を向いていました。

 

すると、

 

いきなりガラッとドアが開き、

I君が教室に入ってきました。

 

I「おっ、二人みっけ!誰?」

 

A「やだあ~!

 

暗い教室で二人きりとか、

やらしい~(笑)

 

・・・???

 

一瞬、

意味が分かりませんでした。

 

今、隣で一緒に隠れているはずのAちゃんが、

I君の後に居たんです。

 

私はゾッとし、

心臓は凄い早さで鳴っていました。

 

A「電気、点けるよ~」

 

パッと教室内が明るくなり、

 

すぐに横に目をやると、

誰も居ませんでした。

 

ホッとしたと同時に真後ろから、

 

「いるよ」

 

と声が聞こえ、

 

私はあまりの怖さに、

急いで教室から逃げ出しました。

 

この話を他の4人にしたところ、

 

私がAちゃんに電話をした時、

Aちゃんは既に見つかっていて、

 

私の電話はノイズのような

ザーっとした音と、

 

途切れ途切れの私の声。

 

その私の声と被さるように、

 

『いれて』

 

という、

クリアな声が聞こえたらしいです。

 

これまでで一番怖い体験でした。

 

(終)

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