周りにいる人間の本質 2/2

「お前なんか私のお姉ちゃんじゃない!

私のお姉ちゃんは○○(姉のフルネーム)だ!

 

私は知ってるんだぞ。

 

私に友達がいなくなったのは、

お前(Bさん)が私の友達をいじめて、

 

『私に近寄るな』って言ったからだ!!

 

お前が持ってきたお菓子や花火は、

全部□□(近所の商店)で盗んだ物だ!

 

気持ち悪い!!

お前なんか大嫌いだ!

 

お前は私のお姉ちゃんじゃない!

帰れ!二度と家に来るな!

 

私の家族は全員こっちにいる!

私をそっちに連れて行こうとするな!!!」

 

実際はもっと田舎のヤンキー口調で

方言も入ってたけど、

 

大体こんなことを叫んだ。

 

と言うか、この叫んだ内容は、

私は全然知らなかった。

 

Bさんが私の友達をいじめて無くした事も、

いつもくれるお菓子が盗品だった事も。

 

パニック状態だったのに

更にパニックに陥って、

 

そこから何も覚えてない。

 

たぶん気を失ったんだと思う。

 

目が覚めたらもう朝で、

泣きはらした母親と、

げっそりした父親がいた。 

 

そして、

 

「病院から連絡があった。

お姉ちゃんは足を折っただけだよ。

お昼になったらお見舞いに行こう」

 

って言ってくれた。

 

そして、その時は

理解出来なかったけど、

 

「A君にお礼を言いなさい。

その指輪は一生大事にしなさい」

 

って言われた。

 

姉たちが起こした事故で、

Bさんは亡くなってました。

 

それも、両親が病院から連絡を貰うより前・・・

多分即死に近かったんだと思います。

 

それなのに両親が病院に行こうとしたら、

玄関の向こう側にBさんが見えたらしい。

 

(玄関の一部がスリガラスになって

外が見えるタイプだった)

 

姉と一緒に出掛けたはずの彼女が

無事でいるはずない!

 

っと思った両親は

家から出るに出られず、

 

時々、

 

「Cちゃんを迎えに来ました。

開けて下さい」

 

と言う声が怖くて、

リビングに居たそうな。

 

そしてAさんも、事故当時は

意識が無くて危うい状況でしたが、

 

意識を取り戻し、面会出来るまで

回復を待ってお見舞いに行った時、

 

Aさんはろれつの回らない状態ですが、

泣きながらぽつぽつと話してくれた。

 

Bさんがなぜか私に執着して、

 

「Cちゃんは妹のようだ」

 

「妹にしたい」

 

「C(私)は私の妹!他の子と

仲良くさせたくない、一緒にいる!」

 

と言ってた事や、

 

万引きしたお菓子などを

与えてた事など。

 

そして、Bさんに懐いてた私を

遠ざける方法が分からなくて、

 

むやみに怒鳴ったりして

申し訳なかった。

 

流行のアクセサリーを持ってれば、

女の子だから友達が出来るんじゃないかと

思って指輪をあげた・・・

 

と話してくれました。

 

あれからもう15年以上経つけど、

私は毎年夏はお盆が終るまで

帰省出来ないでいる。

 

Bさんが私を諦めて無いからだって

姉や両親は言うけど、

 

確かに夏場になると例の指輪が、

(熱くなりようがない状況でも)

 

焼けたように熱くなって

変な事が起きる時があるんですが、

 

それはまた別の話。

 

<以下、後日談>

 

Bさんの姿を両親が見たのは

これっきりですが、

 

(婿を貰って実家に住んでる)は、

毎年見ているそうです。

 

年を重ねるごとに輪郭が変わってきて、

 

ここ数年ほぼ別人

(数年前には大きな犬っぽかったらしい)

のようになってるらしいですが、

 

お盆の送り盆(お盆最後の晩)

来るそうです。

 

お祓いは何度か頼んでますが、

やはりお盆の時だけは来てしまうそうで・・・

 

私はBさん関係以外の霊感は

全く無いので分かりませんが、

 

姉は『なんとなくわかる』という人なので、

そういうものかもしれないと納得しています。

 

実家も引越しを考えたそうなんですが、

よく分かりませんが、

なぜか引越しをしていません。

 

私だけ、中学進学と同時に

父方の叔母の家に預けられていました。

 

姉が妙に落ち着いてる事も分からないし、

 

私の部屋が小学卒業当時のまま

保存されてる(掃除はされてる)のも、

疑問と言えば疑問。

 

あと、帰省の時は、

この歳になっても必ず姉が

迎えに来てくれるんだけど、

 

それも回り道したりして、

 

地元に着いてからも、

わざわざ一回休憩挟んで家に帰ってる。

 

でもぶっちゃけ聞くのが怖いから、

夫や子供には『我が家のしきたり』

って事で済ませてる。

 

姉にAさんとBさんについて、

聞きづらかったけど聞いてみました。

 

姉はその話が嫌らしく渋ってましたが、

聞き出せのは、

 

なぜ親が、例の私がひとりでに

Bさんの所業を暴露した後、

 

「Aさんに感謝しろ」と言ったのか、

という質問の回答だけでした。

 

姉曰く、

 

「A君は地元の方言とそっくりな方言だけど、

地味に違った言い回しがあって特徴的だったから、

それで親も分かったんじゃないか」

 

とのことです。

 

なんだが拍子抜けしてしまいましたが、

 

確かに私もあの日の夜は、

寝るまでにその指輪を貰った事を

親に話してたので、

 

なんとなく察してくれたんじゃないでしょうか。

 

そして、これはBさんのことと

関係があるのかはわかりませんが、

 

知らなかったけど、

うちの家族(両親と姉と弟妹)たちは私以外、

 

『わかる人・見える人・呼ぶ&呼ばれる人』

らしいです。

 

そのことを聞いて私は、

 

『あぁ、だから私は実家に

住めなくなっちゃったのかな?』

 

っと納得して、

 

「私はなんで違うのかな?」

っと聞いたところ、姉は、

 

「Cも昔はそれなりに『わかる人』だったのに、

(姉)がぐれ始めた頃から鈍化していった。

 

私が拾って来たり持って帰ってたモノを、

感じちゃったのかは知らないけど、

 

あんたはどんどんそういうのを閉じていって、

しまいには分からなくなったんじゃない?」

 

と言ってました。

 

そういう感覚って、

簡単に蓋みたいに閉じれるのかは

疑問ですけど、

 

実際私はちょいちょい死体を

見つけたりはしますけど、

 

特に何も変なことは起きてないので、

そんなものなんだと思います。

 

指輪が熱くなるのは、

大抵お盆の時期(Bさんの時期)ですし。

 

(終)

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