決して残業をさせない会社の理由

京都の町工場まで

バイトに行ってた時の事。

 

社長夫妻と従業員が二人。

 

バイトは、

新人の俺以外に一人だけ。

 

毎日、7時から仕事で、

 

プラスチックの成型なんか

やってたんだけど、

 

死ぬほど忙しくても、

5時にはピッタリ終わる。

 

そのことには俺的に

何にも考えてなかったんだけど、

 

採用5日目くらいに、

どうしても時間が足りない。

 

という事で、

 

社長が4時頃から

金型と材料持って、

 

近所の工場で打たしてもらう

とか言って、

 

従業員の一人と軽トラに乗って

出て行った。

 

自分とこで作ったらいいのに

とか思ってたら5時になり、

 

奥さんが「はいお疲れさん」とか言って、

いつも通り終わった。

 

俺は、「社長は帰って来ませんの?」

と聞いた。

 

奥さんは、「今日は20時頃まで掛かるから、

直帰するらしいで」

 

とか何とか言って、

 

「はよ、あんたらも帰りや、

暗なんで~」

 

ゆうて、(このセリフは毎日の事)

俺らをとっとと追い出した。

 

バイトのもう一人は

15時で退社する契約の奴だったんで、

 

普段からあんまり仲良くはなかった。

 

で、結構無口な従業員の

おっちゃんになんとなく、

 

「忙しいんやったら、

残業したらええんちゃいます?」

 

ゆうたら、

 

「せやから、社長と○○君が

やっとるやんけ」

 

と返って来たんで、

 

「いや、なんでヨソでやるんですか?

自分とこでやったらええですやん」

 

と更に返した。

 

そしたら、

 

「アホか、そんなもん怖いわ!」

 

と言われた。

 

続けて、

 

「お化けなんか見たないわ!」

 

とか言って笑った。

 

(・・・長くなるんで、以下省略)

 

そこの工場は暗くなると時々、

男の幽霊が出るらしい。

 

社長夫妻は何回か見たけど、

契約とかお金の事もあり・・・。

 

明るいうちは絶対に出ない

と言う事に気付き、

 

残業は止めたらしい。

 

俺はその話を聞いて、

すぐ辞めた。

 

京都府南部の某町工場にて、

5年前の事。

 

(終)

スポンサーリンク

あなたにオススメの記事


コメントを残す

CAPTCHA


スポンサーリンク
サブコンテンツ

月別の投稿表示

カレンダー

2024年4月
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
282930  

【特集】過去の年間ランキング

(2022年1月~12月)に投稿した話の中で、閲覧数の多かったものを厳選して『20話』ピックアップ!
【特集】2022年・怖い話ランキング20
─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─
アクセスランキング

このページの先頭へ