北向きの墓 1/3
私が中学一年生だった頃の話だ。 十月上旬。 その日は土曜日だった。 昼食を食べた後、 私は自転車の荷台に竹ボウキをくくり付け、 友人の家へと向かっていた。 自宅のある北地区から、・・・
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私が中学一年生だった頃の話だ。 十月上旬。 その日は土曜日だった。 昼食を食べた後、 私は自転車の荷台に竹ボウキをくくり付け、 友人の家へと向かっていた。 自宅のある北地区から、・・・
アタリの感触はまだ無い。 深緑色をした水面は、円状の淵の中で、 緩やかに時計回りの渦を描いていた。 流れ着いた枝の切れ端や木の葉などの 小さなごみが中心に集まり、 ゆっくり回転している。 &n・・・
街を南北に等分する川。 その川を少し遡った、中流域と上流域の、 ちょうど境目あたり。 緩やかにカーブを描く流れの外側に一箇所、 岸がえぐれて丸く窪んでいる場所がある。 そこは、緑・・・
細かく説明されるごとに、 『彼女』の見える部分が増えてゆく。 「首に、ロープが食い込んでる」 縄が見えた。 張り出した枝から垂れたロープが、 白く細い首に絡まっている。 &nbs・・・
「あの人って・・・。 人があんなとこで何してるんだよ」 私の問いには答えず、 彼は池の中心にある噴水の方を見た。 「もう、僕に近づかない方が良いよ。 君は特に」 意味がわからない・・・
四月が終わりを迎え、五月。 端午の節句がすぐそこまで近づいていた。 その日も前日は雨だった。 学校が終わり、一人での帰り道。 道路には、水溜りという置き土産が いくつも残っていた。 &nbs・・・
これは、私が小学校六年生だった頃の話だ。 四月中旬。 私はその日の放課後、一人居残って 教室の掃除をしていた。 不注意で花瓶を割ってしまったのだ。 ガラスは担任が片・・・
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