山で掘り返してしまったもの
先日あった話。
うちの裏に住んでいるお爺ちゃんと、山へ登って山芋堀りをしていた。
私がスコップで地面を掘り返していると、何か『透明なブヨブヨしたもの』が現れた。
お爺ちゃんに見せてみると、「いかん、山の神様だ。もう今日は帰るぞ!」と言って、ソレを急いで埋めて山を下りました。
後になってお爺ちゃんに訊いてみると、「アレに長いこと触ると祟りに遭ってしまう」と言ったきり、口をつぐんでしまいました。
アレは一体何だったのだろうか・・・。
検証
これは、果たして『太歳』なのか?
※太歳(たいさい)
①、木星の異名。おおどし。
②、陰陽道(おんようどう)の八将神の一。木星の精。その年の干支(えと)と同じ方位にあり、その方角を吉方とする。歳の君。
伝説でいう太歳というのは、土の中に埋まっているブヨブヨした不定形のもので、木星の動きに合わせて土の中を移動する。
誤って掘り出してしまうと、その地域に飢饉や疫病なのど災厄をもたらす。
また、ソレを見た人間は近いうちに死んでしまう。
戦時中、日本軍が大陸で塹壕を掘っていた時に掘り出してしまい、その部隊は疫病で全滅したという話もある。
※塹壕(ざんごう)
戦争で歩兵が砲撃や銃撃から身を守るために使う穴または溝。
(終)