雨の日の駄菓子屋で見つけた奇妙な写真
これは、32年前に体験した奇妙な話。
当時小学3年生だった俺は、学校から帰って来ては毎日近所の駄菓子屋に遊びに行っていた。
その日も強めの雨が降っていたが、駄菓子屋までは歩いて1分なので、傘もささずに走って出かけた。
駄菓子屋には4人ほどの友達が先に来ていた。
駄菓子を買い、友達らと喋っていると、雨で濡れている路面に葉書大の紙が5枚くらい落ちているのに気がついた。
びしゃびしゃに濡れている紙を拾いあげてみると、それは『白黒の写真』だった。
「何の写真だろう?」
そのうちの1枚を友達らと覗き込んで見てみると、”水が枯れた滝”のような風景が写っていた。
その枯れた滝をもっとよく見てみると、白っぽい人影のようなものが数ヶ所に写っている。
写真が雨に濡れて見えにくかったので、駄菓子屋の店内に入り、写真を乾かしてからもう一度ちゃんと見てみると、白い人影のようなものは全て『骸骨』だとわかった。
気持ち悪くなった俺らは駄菓子屋のオヤジに見せたところ、「燃やした方がいいな、それ」と言われ、残りの写真も合わせて全て燃やして川に流した。
あの写真は何だったんだろう?と、今でも当時の友達らと飲んだ時には話題になる不思議な出来事だった。
(終)