死の直前に見えるものは必ずしも・・・

老人と死神

 

人が亡くなる間際、助けるように導く謎の存在が現れることがあるそうです。

 

それは亡くなった兄弟や親族の姿であったり、声だけで聞こえたりすることもあるそうですが、正しい道を示したり、励ましたりすると言われています。

 

とても心温まる話ですが、実際に私が体験したのは少し違いました。

 

私の祖父はガンで亡くなりました。

 

最期の時、意識が朦朧とする中で、突然怒鳴り出したのです。

 

「足元にいるそいつを追い出してくれ!」

 

突然の叫びに、そばにいた私と両親は驚きました。

 

しかし、室内には私たち以外に誰もいません。

 

やがて祖父は「やめろ!引っ張るな!引っ張るな!」と叫びながら、激しく暴れ始めました。

 

騒ぎを聞きつけた看護師さんが駆けつけ、慣れた手つきで鎮静剤らしきものを注射しました。

 

その後しばらくして、祖父は静かに息を引き取りました。

 

そして、看護師さんは言いました。

 

「よくあることですよ。黒い人が見えるとか、足を引っ張らないでくれとか。亡くなる前にそうおっしゃる方は多いですね」

 

亡くなる間際に現れるのは、“必ずしも優しい存在だけではない”ようです。

 

もし『黒い人』を見かけたら、どうかお気をつけください。

 

(終)

AIによる概要

この話が伝えたいことは、「人が亡くなる間際に見る存在は、必ずしも優しいものとは限らない」ということです。

一般的には、死の直前には亡くなった親族や優しい存在が現れ、旅立つ人を導いたり励ましたりするという話がよく語られます。しかし、この体験談では、祖父が亡くなる直前に恐怖に満ちた様子で「足元にいる何か」に怯え、抵抗するように暴れています。そして、看護師の言葉からも、それが決して珍しいことではないとわかります。

つまり、死の瞬間に見えるものは、穏やかで安心できる存在だけではなく、時には恐ろしい何かが現れることもあるのではないかという示唆がされています。人は死を前にして、何を見て、何を感じるのか。その答えは誰にもわかりませんが、死の直前に訪れるものの正体には、まだ未知の部分が多いのかもしれません。

そして最後に、「もし黒い人を見かけたら気をつけてください」という言葉が、読者に不気味な余韻を残し、ただの不思議な話ではなく、どこか現実にも起こりうる出来事のように感じさせます。

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