人間も自然も78対22で成り立っている
この世は『78対22』という宇宙の法則で成り立っている。
キリよく「7対3の法則」や「8対2の法則」ともいわれ、ビジネスなどにも応用されている。
科学的に「78対22」という黄金比が証明されているわけではないが、統計の中からこの比率が見つかる例は多く存在する。
たとえば……。
地球上の海と陸の割合は、78対22。
人体の水分とそれ以外の割合も、78対22。
空気中の酸素以外と酸素の割合も、78対22。
肺呼吸と皮膚呼吸の割合も、78対22。
善玉菌と悪玉菌の割合も、78対22。
かかととつま先への体重のかかり具合も、78対22。
また、働きアリの集団では、食料を真面目に集めているのは78%だけで、残りの22%はサボっているという。
このサボっている22%を集団から取り除くと、それまで真面目に働いていたアリの中から、新たに22%がサボるようになる。
逆に、真面目に働いていたアリの数を減らすと、もともとサボっていたアリの中から、新たに働き始める者が現れる。
結果として、常に78%が働き、22%がサボるという状態が保たれるのである。
この22%は、一見すると不要に思えるかもしれない。
しかし、たとえばアリの例でいえば、この22%のサボりアリたちは、万一に備えて力を温存しているとも考えられる。
人間社会においても、同様のことがいえる。
集団が大きくなればなるほど、その中に「そぐわない人」や「異分子」とされる存在が現れる。
だが、それは自然なことであり、必要なことでもある。
また、「成功者」と呼ばれる人の多くが、他の人よりも「多くの失敗」を経験している。
多くの失敗の積み重ねが、やがて大きな成功へとつながっているのだ。
私たちが気づいていないだけで、この黄金比はまだまだ多くの場所に存在し、世界のバランスを保っている。(他にも多々あるので、気になる方はこちらからどうぞ ※リンク先はGoogle検索)
そしてこの黄金比が崩れそうになると、それを元に戻そうとする力が働く。
もし元に戻らなければ、やがて世界そのものが崩壊してしまう。
22%のサボりアリを排除しても、新たな22%が必ず現れる。
それを繰り返せば、いずれその集団は維持できなくなる。
この黄金比を無理に壊そうとするのが「完璧主義者」である。
もちろん、100%を目指すこと自体が悪いわけではない。
だが、この世に「完全な100%」は存在しない。
不要だと思える22%を取り除こうとすれば、必ず元に戻そうとする力が働くのだ。
それでもなお、無理にこの黄金比を壊そうとすれば、「黄金比を壊そうとする存在」そのものを壊そうとする力が働く。
100%にならないことへの苛立ちやストレスから、やがて周囲からは奇人・変人扱いされ、孤立していく。
最終的には精神のバランスを崩してしまうこともある。
多くの芸術家や発明家の晩年が、変人扱いされたり、精神を病んでしまったりしているのは、そのためなのかもしれない。
『78対22』という宇宙の不思議なバランスによって、完璧主義者は完璧を成すことができない。
完璧を成す前に、自分自身が壊れてしまうのである。
(終)
AIによる概要
この話が伝えたいことは、「この世界には見えないバランスが存在していて、それを無理に壊そうとすると、かえって自分自身や集団が壊れてしまう」ということです。
一見、無駄に見えるものや役に立っていないように見える存在――たとえば、働かないアリや失敗ばかりの人、集団にうまくなじめない人など――にも、実は大切な意味があるのだと語られています。そうした「22%」は、何かあったときに支えになる予備の力であり、世界がバランスを保つために必要な存在なのです。
しかし、人はときに「100%完璧にしたい」「無駄をなくしたい」と考え、その22%を排除しようとします。けれども、そうすることで自然なバランスが崩れ、結局は新たな22%が現れるか、全体そのものが崩れてしまうのです。
この話は、「不完全であること」や「余白を持つこと」の大切さを教えてくれます。完璧を求めるあまり、大切なものを壊してしまわないように――というメッセージが込められているのです。