父と私だけが感じたもの
これは、新築で住み始めた今の家での話。
ここには私が中学2年の時に引っ越してきました。
引っ越してしばらくしてからのこと、夕飯を食べて居間でテレビを見ていると、2~3日に1度は父と私が同時に居間の磨りガラスが入っているドアを見るのです。
テレビに夢中ですぐにテレビに視線を戻すのですが、ある日、父に聞いてみました。
「なんでドアを見るの?」
「いや、廊下を誰か通ったような気がしたから」
「やっぱそうよねー」
家族5人、みんなでテレビを見ていたから誰も通ることはないのに、“玄関から突き当りにある階段の方へ、黒い影が移動している気配”がしてドアを見ていたのです。
そして、それを感じるのは父と私だけ。
我が家はお寺の近くにあり、家の裏は墓地を埋め立てて建てられた家があります。
方角は、お寺は玄関のある方で、裏は階段のある方。
なので「霊の通り道なんだね」と笑って話は終わったのですが、全然霊感のない2人が同時に感じるのが不思議でした。
ただ、大人になった今では何も感じません。
(終)
AIによる概要
この話が伝えたいことは、日常の中で感じる不思議な現象や、環境が感覚に与える影響についての考察です。特に、霊感のない父親と娘が同時に「黒い影」を感じた不思議さが印象的です。この現象が環境(お寺や墓地跡)と関連している可能性や、時間とともに感覚が変化する人間の性質にも触れています。軽いユーモアを交えつつ、不思議な出来事への向き合い方を考えさせる内容です。