封鎖されていた学校の倉庫から

南京錠

 

これは、俺が小学校時代の不思議で怖い話。

 

学校の階段下には倉庫のような小さな物置の部屋があった。

 

使っていない机や椅子、昔の行事で使った紙の花などが置いてある部屋だ。

 

そこはずっと使われていなくて、安全上の問題とかで鎖と南京錠で鍵がしてあった。

 

ある日の下校時「どこからか花の匂いがする」と騒ぎになり、いつも一緒に帰っている5人で匂いの出所を探す事になった。

 

そして、階段下が一番匂いが強く、その部屋を確かめる事にした。

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部屋の中には・・・

しかし、部屋には鍵がかかって入れないので、ドア下の僅かな通気口から覗く事にした。

 

通気口から中を覗くと、なんと部屋の床一杯に生花が敷き詰められていた

 

物凄くカラフルで、色々な種類の花があったと思う。

 

俺たちはビックリしてそのまま職員室に駆け込み、「倉庫!倉庫!花が!!」と先生たちに訴えた。

 

すぐさま教頭先生が鍵を持って走って見に行き、俺たちも追いかける。(後で聞いたが、教頭先生は倉庫にある紙の花が燃えてるのかと思ったそうだ)

 

南京錠がなかなか開かず、用務員さんと二人がかりで鎖と南京錠を外していた。

 

やっと開いた瞬間、全員が「ヒィッ」と声を上げた。

 

部屋の中は本当に全部が花で埋まっていた。

 

通気口はドアの下部分の位置にあり、尚且つ下に向かっての傾斜だった為、覗いた時は床近くしか見えていなかったので気が付かなかった。

 

花は天井近くまである棚に、床に、積んである机の上にも。

 

匂いが強かったのはユリとバラだと思う。

 

その2種類が特に多かった。

 

その場で花はゴミ袋に回収され、鎖と南京錠は取り替えられていた。

 

だが、今思うとその部屋には窓が無いし、鍵も錆びて開けるのに手間取るくらいだったので、直前に開けられたとは考え難い。

 

当時は子供だったからか「不思議だね~」で終わったが。

 

しかし、花を捨て、新しい鍵にしてから、雨が降るとそのドアを中から叩く音がする様になった。

 

それはL字に離れた校舎の2階に居ても聞こえてくる程の大きな音で、「ドゴォン、ドゴォン」と定期的にしていた。

 

以前はそんな音はしていなかったし、あんなに大きな音に気が付かないはずがない。

 

あまりにもみんなが怖がるので、担任が「あれはバッファローマンが練習している音だよ」と言い始め、俺たちもいつの間にか「またバッファローが暴れてる~」と笑っていた。(当時はキン肉マンが流行っていた)

 

そして、友達の子供が今その小学校に通っているのだが、今でもバッファローはいるらしい。

 

名前の由来は知らないらしいが、「バッファロー」と呼ばれているのだとか。

 

あの当時から部屋に何かが居たのかもしれないが、20年以上経った今もまだいるのかと思うと・・・。

 

ちなみに、教頭先生が紙の花が燃えていると思ったのには理由があり、鎖と南京錠で閉ざす前に、卒業生がイタズラで花火を放り込んだ事があったという。

 

しかし、それも当時の段階で6年以上前の話だ。

 

(終)

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