絶対に登ってはいけないと言われていた山
これは、無名に近いある芸能人がテレビで語っていた話。
仮に、その人を間宮さんとする。
間宮さんの実家の近くには、『絶対に登ってはいけない!』と子供の頃から言われていた山があったそうな。
高校時代のある日、間宮さんは仲間数人と連れ立って、学校をサボって昼間からその山に登ることにした。
ヤバイ状況に遭遇する
鬱蒼と茂った林の中を細い山道を伝って山頂を目指していると、山頂の方から神輿(みこし)を担いでいるような声が聞こえてきた。
「わっしょい、わっしょい、わっしょい・・・」
なんで平日の昼間っから山の中で祭りをやっているんだろう?と不審に思ったそうだが、間宮さん一行はとりあえず登り続けることにした。
そして、次第に掛け声が段々と大きく聞こえてくることから、どうやらその神輿の一団は山道を下って来ているということが分かった。
・・・が、間宮さんらはここでおかしな事に気が付く。
声が近づくにつれて足音も聞こえてきたのだが、その数が尋常でなく多い。
それなのに、人の気配が全くしない。
さらには「わっしょい」かと思っていた掛け声も、はっきりと聞き取れないがどうやら違うようだ。
間宮さんらは”もしかしてこれはヤバイ状況かも”ということを察知したが、足がすくんで動けなくなってしまった。
そうこうしているうちに、神輿の一団が登山道のカーブを曲がり、いよいよ自分達の視界に入る位置にやって来た。
間宮さんらは”見聞きしてはいけない”と思い、目を瞑り、両手で耳を塞ぎ、その場でしゃがみ込んた。
その後、神輿の一団はしゃがみ込んだ間宮さんらの頭上を、そのまま何事もなく通り抜けて行ったそうな。
ただ、耳を塞いでいたにもかかわらず、それまではよく聞き取れなかった掛け声も、はっきりと理解できた。
その掛け声は、「わっしょい、わっしょい」ではなく、「帰れ!帰れ!帰れ!・・・」と言っていた。
(終)
10年前からある、山怖のド定番のネタだと思うんだけど…