深夜の山奥、前から何かが近付いて来る

私が高校生の時の話です。

 

仲の良い友達5人と、

 

花火&バーベキューを

することになりました。

 

時間は深夜0時。

場所は河原。

 

学校が終わり、

一旦各自帰宅。

 

準備を済ませ、

 

23時にチャリンコで

出発しました。

 

河原は山奥にあり、

人通りは皆無の場所です。

 

街灯の下でバーベキューの

準備を開始したのですが・・・。

 

普段から霊感があると

自称していたKが、

 

全く喋りません。

 

皆がワイワイしながら

準備をしている中、

 

遂に座り込んで

拝み始めました。

 

Kを宥めつつ

バーベキューを始めたのですが、

 

Kがガタガタ震えながら、

顔を真っ青にしています。

 

さすがに不安になった友達が、

 

「なんかおるんか?」

 

K「おる、さっきから女の声が

聞こえよろうが・・・」

 

・・・・・・

 

皆黙り込み、

耳を澄ましていると、

 

「・・・・ぉぉおおお」

 

目の前を流れる

川の上流の方から、

 

女の唸り声の様な

声が聞こえます。

 

川は、道の下を走っている為、

声のする方は全く見えませんが、

 

確かに聞こえました。

 

すると、一人の友達が

切り出しました。

 

「肝試ししようや」

 

川の上流に向かって道を進もう、

と言い出したのです。

 

もちろん、

皆全力で拒否。

 

理由は二つありました。

 

1、

今まさにそっちの方から、

女の声がした。

 

2、

その道を行くと、

 

御札が何百枚と貼り付けてある

廃墟がある事を知っているから。

 

しかし、友達が

どうしてもというので、

 

じゃんけんで負けた奴が

 

言い出しっぺと二人で

行くことになりました。

 

(霊感のあるKは除く)

 

はい、負けました。

 

いざ出発。

 

上流に向かって歩いていると、

前から何か来ます。

 

私達は固まっていました。

 

婆さん「こんばんは」

 

私・友「こ、こんばんは・・・」

 

本当に、全身の毛が

逆立ちました。

 

真っ暗な為、

 

目の前に来るまで人間なのか

どうかも分からないんです。

 

しかも、時間は

夜中の2時を過ぎた頃。

 

あまりにも不気味で

後ろを振り返りましたが、

 

真っ暗なので、

もう姿も確認出来ません。

 

御札の家で折り返す事を決め、

道を進みます。

 

やがて、

 

ドア一面に御札が張り巡らされた

家の前に着きました。

 

携帯の灯りを使い、

辺りを見渡します。

 

「・・・ぉぉおおおおおお」

 

さらに上流へと続く

道の向こうから、

 

あの唸り声が聞こえ、

 

そちらに注意を向け

固まっていると、

 

ザッザッザッ・・・

 

何かがこちらに

近づいて来ています・・・。

 

婆さん「こんばんは」

 

先程すれ違った婆さんでした。

 

(終)

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