空き家の修復作業で出向いたら

ある売出中の家の

修復作業をするために、

 

相方と二人で向った。

 

外装は既に他の業者が

終わらせているので、

 

午後に作業するのは

俺たち二人だけ。

 

着いた早々、

家の中に入るなり、

 

廊下に赤いクレヨンが

落ちてる事に気付く。

 

あぁ、以前に居た

子供の落し物だなぁ・・・

 

と納得していると、

 

さらに階段の上にも

クレヨンが落ちていたので、

 

不思議に思っていた。

 

二階建ての家なので、

 

手分けして一階と二階に

分かれて仕事をしていると、

 

相方が二階から

物凄い勢いで下りて来て、

 

笑いながらヤバイ!ヤバイ!

と叫ぶ。

 

聞けば、

 

二階で作業をしていたら、

 

クレヨンが横から転がって

きたので見上げると、

 

女の子がぼぉっと立っていて、

 

声を掛けたらスっと

消えてしまったと言う。

 

家の中の空気も変わり、

二人して気持ちが悪くなった。

 

一度外へ出ようと玄関へ

足を運ぼうとした途端に、

 

相方がふと不思議な事に

気が付いた。

 

廊下の突き当たり、

 

壁になっている所を

注意して見ると、

 

薄っすらと扉の縁が見える。

 

何だ?と思い、

二人は近寄ってみると、

 

確かに内壁で扉を

隠してるのが分かる。

 

本来こういう事は

しちゃいけない事だけど、

 

気になったので

 

二人してボロボロの内壁を

捲ってみると、

 

本当にノブの無い

扉が現れた。

 

後はもう見てやれの一心で、

 

押し蹴る様な要領で

ゆっくりと開けてみたら、

 

暗い部屋が見つかり、

 

目を凝らしてよく見ると、

部屋の壁一面にクレヨンで、

 

お父さん出して!

お父さん出して!

お父さん出して!

   :

   :

   :

 

と書かれた跡が・・・。

 

二人ともショックに陥り、

 

仕事を放棄して

さっさと退散した。

 

(終)

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