僕と友人の罰当たりな探検 1/2

 

これは僕が高校の時に、

友達と神社に忍び込んだお話。

 

肝試しではない。

 

なぜそんなことになったかと言えば・・・

少し長くなるけど理由があった。

 

僕には専門の知識はないので、

後から全て聞いた。

 

神社などにはよく、

 

「御神体」といわれる

「何か」が祭られている。

 

ただ、その御神体が、

 

一体何なのか?

どういうものなのか?

 

それは、

 

その神社の代々受け継がれる

神主しか知らない。

 

御神体(wikipedia)

 

よく神社などの何かしらの行事で、

 

祭壇に「鏡」が祭られていることが

ありますよね?

 

知識のない僕は、

 

なぜ鏡を祭るのか?

と思っていたけど、

 

あれは、

 

「御神体を数日間映した鏡」

 

ということらしい。

 

御神体は、

 

神主以外の人間が見ることは

禁じられているそうなので、

 

その代わりということらしい。

 

そこまでして隠されている

御神体って・・・

 

正直言って気になりますよね?

一体どんなものなのか・・・。

 

うちの親父達も

気になっていたらしく、

 

昔に町内の飲み会の時に、

 

地元の神主さんも

来ていたそうなので、

 

酔った勢いで聞き出そうと

していたらしい。

 

そこで、

 

その神主さんに

ガンガン酒を飲ませ、

 

正体を聞き出そうと

したのだが、

 

どれだけ飲んで

べろんべろんに酔っても、

 

御神体の正体だけは断固として

教えてくれなかったそうな。

 

(他に面白い話も沢山聞いたそうだが)

 

一体、御神体って

何なんだろうか・・・

 

もしかしてよくある

河童のミイラとか?

 

はたまた刀とか?

 

むぅ・・・気になる・・・。

 

と、まぁこんな話を、

遊びに来ていた友達に、

 

ゲームをしながら

冗談半分に話していた。

 

ここからが本題。

 

その友達を仮にAとする。

 

その話をするとAは、

 

「へぇ・・・」

 

と怪しげな笑いを浮かべると、

 

「その神社って近い?」

 

と聞いてきた。

 

その神社は僕の家から歩いて

5分とかからない場所にあった。

 

「近いけど・・・まさか・・・」

 

「あぁ。今日の夜、

行ってみようぜ。

 

だから今日は泊めてくれ」

 

こんな感じで、

 

なんとも罰当たりな

探検が始まった。

 

僕も当時はバカだったので、

 

「そんなことしたら

絶対に罰が当たる!」

 

と思ったけど、

 

湧き出てくる好奇心と、

 

神社だったら罰は当たっても

幽霊の類は出ないだろう、

 

という感じで話に乗った。

 

僕とAは0時になるのを待ち、

 

懐中電灯とビデオカメラを持って

神社に向かった。

 

神社に着くと、

やはり神聖な場所とはいえ、

 

夜の闇がもの凄く

僕の恐怖を大きくした。

 

だけど、ずんずん進んでいく

Aの影に隠れるように、

 

僕も神社に入っていった。

 

僕の地元はかなり田舎なので、

 

鍵をかける習慣みたいなものは

ほとんどない。

 

神社の本堂ももちろん、

難なく扉は開いた。

 

ここまでは順調。

 

Aはここから、

ビデオカメラを回し始めた。

 

本堂の中には正月などに

毎年入ったことがあった。

 

中はそんなに広くない。

 

壁には色んな絵や文字を書いた

紙なんかが飾られている。

 

年に一度しか見ないとはいえ、

 

毎年入っていたので

見慣れてはいた。

 

だけどやっぱり怖い。

 

Aと僕は靴を脱ぐと、

目の前にあった賽銭箱に、

 

とりあえず今から

罰当たりなことをするのに、

 

「罰当たりませんように・・・」

 

と賽銭を投げ込み、

 

なんともバカな願いを

お願いした。(笑)

 

A「で・・・どこにあるんだ?

御神体は?」

 

「確か・・・

あの扉の向こう」

 

僕は奥の扉を指差した。

 

本堂の奥には「いかにも」って感じの、

古臭い扉があった。

 

親父の話によれば、

 

そこから先は

神主さんしか入れず、

 

御神体はその扉の向こうに・・・

ということだ。

 

僕らは懐中電灯を取り出し、

扉まで進んだ。

 

「・・・あ」

A「まぁ、そりゃそうか」

 

扉には大きな南京錠が

かかっていた。

 

しかもその数3つ。

 

どれも太い。

 

普通に考えてみれば、

 

そんな大切に祭ってあるものを

適当に置いておくわけがない。

 

僕はなんとなく安心した。

 

残念な気持ちもあったけど、

これでもう帰れる。

 

「しょうがない。帰ろうよ」

A「まぁ、予想はしてたからね」

 

そう言うと、

 

Aはポケットからドライバーを

取り出した。

 

Aはそれを南京錠の穴に

無理矢理突っ込んだ。

 

僕はそれを見て少し引いた・・・。

 

だけど素人に開けることなんて

出来るわけもなく、

 

無駄な努力に終わる。

 

Aも諦めて、

 

「なんだよ!つまんねぇなぁ」

 

と軽く扉を蹴飛ばした、

その時!

 

『ガコッ』

 

僕らは驚いて

その音の方を見ると、

 

扉の隣にあった祭壇の上の飾り

みたいなものが落ちていた。

 

「お前絶対罰あたるよ・・・」

 

と僕が言うとAは、

 

「おい、あれ見ろよ!」

 

と、その飾りが置いてあった

だろう場所を、

 

懐中電灯で照らしながら

指差した。

 

飾りが置いてあった場所の影には

小さな御札が貼ってあって、

 

その御札の真ん中に、

黒い穴が開いていた。

 

まさか・・・

と近づいてみると、

 

間違いなく、

 

壁に貼ってある御札には

穴が開いていた。

 

手を当てると風が抜けてくる。

 

A「この壁の向こうってことは・・・」

「扉の向こう・・御神体がある・・・」

 

その穴は五百円玉くらいの大きさで、

二人一緒には見られない。

 

そこでAはビデオカメラを

その穴に当てると、

 

横の画面を開いた。

 

これで二人一緒に

見ることが出来る。

 

A「見るぞ」

 

僕はもの凄く緊張した。

 

ついに・・・

御神体が見れると・・・。

 

(続く)僕と友人の罰当たりな探検 2/2へ

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