喫煙室で一服していると・・・
去年の夏、会社で残業していた時の話。
仕事が一段落したので喫煙室で一服していたところ、横から手を突き出されて「火、貸してください」と言われた。
だが、ライターを出して視線を向けると、そこには誰も居ない。
なんとなく可哀想に思ったので、タバコに火をつけて灰皿に置き、俺ももう一本吸った。
すると、ただ灰皿に置いておいただけだったのに、俺が吸い終わるのとほぼ同じタイミングでそのタバコは燃え尽きた。
やはり”何か”が居たのだろう。
それからしばらく経った頃、喫煙室で仲良くなった別会社の人から、「最近ここ出るんですよ~」と言われた。
なんでも、夜遅くに喫煙室に入ると、横から手が出てきて「タバコください」と言われるとか。
その”何か”は、そこに居ついたうえに厚かましくなっている。
もしかして俺のせいなんだろうか・・・。
(終)
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