禁后(パンドラ)7/7

ところが、四人のうちA母は、

かなり肝が据わっていたようで、

怖がる三人を押し退けて近づいていき、

引き出しを開けようとさえしたそうです。

 

さすがに三人も必死で止め、

その場は治まりますが、

問題はその後に起こりました。

 

その部屋を出て、恐る恐る階段を降りると、

またすぐに恐怖に包まれます。

 

廊下の先にある、鏡台と髪。

 

この時点で、三人はもう帰ろうとしますが、

A母が問題を引き起こしてしまいました。

 

私達の時のD妹のように、引き出しを開け、

中のものを出したのです。

 

A母が取り出したのは、

一階の鏡台の一段目の引き出しの中の

『紫逅』と書かれた紙で、

何枚かの爪も入っていたそうです。

 

さすがにやばいものではと感じた三人は、

A母を無理矢理引っ張り、

紙を元に戻して帰ろうとしますが、

ジタバタしてるうちに

棒から髪が落ちてしまったそうです。

 

空き家の中で最も異様な雰囲気である

その髪に、A母も触れる勇気はなく、

四人はそのままにして帰って来てしまいました。

 

それから二~三日は、

そのまま放っておいたらしいですが、

親にバレたら・・・

という気持ちがあったので、

元に戻しに行く事になります。

 

B両親はどうしても都合が合わなかったため、

A母とE君の二人で行く事になりました。

 

夜中に抜け出し、

ハシゴを使って二階から入ります。

 

階段を降り、家から持ってきた箸で

髪を掴んで、何とか棒に戻しました。

 

「さぁ早く帰ろう」

 

とE君は急かしましたが、ホッとしたのか

A母はE君を怖がらせようと思い、

今度は二段目の引き出しを開けたのです。

 

『紫逅』と書かれた紙と、

何本かの歯が入っていました。

 

あまりの恐怖にE君は取り乱し、

泣きそうになっていたのですが、

A母はこれを面白がってしまい、

E君にだけ中が見えるような態勢で

三段目の引き出しを開けたそうです。

 

E君が引き出しの中を見たのは、

ほんの数秒ほどでした。

 

「何があった??」

 

とA母が覗き込もうとした瞬間、

ガンッ!!と引き出しを閉め、

ぼーっとしたまま動かなくなりました。

 

A母はE君が仕返しに、

ふざけてるんだと思ったのですが、

何か異常な空気を感じ、突然怖くなって

一人で帰ってしまったのです。

 

家に着いてすぐに母親に事情を話すと、

母親の顔色が変わり異様な事態となりました。

 

E君の両親などに連絡し、

親達がすぐに空き家へ向かいます。

 

数十分ぐらいして、家で待っていたA母は、

親達に抱えられて帰ってきたE君を

少しだけ見ました。

 

何かを頬張っているようで、

口元からは長い髪の毛が

何本も見えていたそうです。

 

この後、B両親も呼び出され、

親も交えて話したそうですが、

E君の両親は

三人に何も言いませんでした。

 

ただ、言葉では表せないような表情で、

ずっとA母を睨み付けていたそうです。

 

この後、三人は、

あの空き家にまつわる話を聞かされました。

 

E君の事に関しては、私達に言ったのと

全く同じ事を言われたようでした。

 

そして、E君の家族がどこかへ

引っ越して行くまでの一ヵ月間ぐらいの間、

毎日A母の家にE君の両親が

訪ねて来ていたそうです。

 

この事でA母は

精神的に苦しい状態になり、

見かねた母親が

他県の親戚のところへ預けたのでした。

 

その後、A母やE君がどうしていたのかは

わかりませんが、

A母が町に戻って来たのは、

E君への償いからだそうです。

 

以上で話は終わりです。

 

最後に、鏡台の引き出しに

入っているものについて。

 

空き家には一階に八千代の鏡台、

二階に貴子の鏡台があります。

 

八千代の鏡台には、

一段目は爪、二段目は歯が、

隠し名を書いた紙と一緒に入っています。

 

貴子の鏡台は、一、二段目とも

隠し名を書いた紙だけです。

 

八千代が『紫逅』、貴子が『禁后』です。

 

そして問題の三段目の引き出しですが、

中に入っているのは手首だそうです。

 

八千代の鏡台には、

八千代の右手と貴子の左手、

貴子の鏡台には、

貴子の右手と八千代の左手が、

指を絡めあった状態で

入っているそうです。

 

もちろん、今現在どんな状態に

なっているのかはわかりませんが。

 

D子とE君はそれを見てしまい、

異常をきたしてしまいました。

 

厳密に言うと、

隠し名と合わせて見てしまったのが

いけなかったという事でした。

 

『紫逅』は八千代の母が、『禁后』は

八千代が実際に書いたものであり、

 

三段目の引き出しの内側には、

それぞれの読み方が

びっしりと書かれているそうです。

 

空き家は今もありますが、今の子供達には

ほとんど知られていないようです。

 

娯楽や誘惑が多い今では、あまり

目につく存在ではないのかも知れません。

 

地域に関してはあまり明かせませんが、

東日本ではないです。

 

それから、D子のお母さんの手紙

についてですが、

これは控えさせていただきます。

 

D子とお母さんは、もう亡くなられている

と知らされましたので、

私の口からは何もお話出来ません。

 

(終)

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4 Responses to “禁后(パンドラ)7/7”

  1. あおば より:

    こわ~。
    謎儀式だね。
    一瞬、人類補完計画思い出したよ。

  2. 2 より:

    馬鹿が書いたネタって長いだけでくだらないな。
    意味不明な駄文を連ねただけで怖いつもりなんだろうか。

  3. 匿名 より:

    ( ; ; )

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