貸し出していたビデオテープが
レンタルビデオ屋で
アルバイトをしているS君は、
ちょっと怖い体験をした。
そのレンタルビデオ屋では、
延滞しているお客さんに
返却期限が過ぎていることを
電話で伝えるのだが・・・。
その日も、延滞している
お客さんの携帯に電話をかけた。
客は若い男性なのだが、
なぜか彼の母親が出てきた。
話によると、彼は事故で亡くなったそうで、
今は葬式の最中だったという。
彼の母親は必ず返しに行くので、
もう少し待ってもらえないか
と言ってきた。
だが、何だか気味悪いので、
「返しに来なくてもいい」
と、店長が母親に言った。
延滞していた客が、
まさか亡くなっているとは・・・
と、S君はちょっと怖くなった。
その日の深夜、
ビデオケースが積んである山が
突然崩れた。
そして、それの片付けをしているときに
怖いことに気づいた。
ビデオのケースに混じって、
今日電話して亡くなったことが
わかったお客さんが借りていた
ビデオが混じっていたのだ。
たぶん親に迷惑を掛けたくないので、
今日返しに来たのだろう・・・。
(終)
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