死んだはずの人間から同窓会の誘い
久し振りに、
同窓会の誘いが来た。
そもそも、
それがおかしかった。
死んだはずのTから
誘われたからだ。
ビビった俺はIに相談したところ、
Iにも来たという。
仲の良かった十数人に
来たらしい。
キッカケは不気味だけど
皆で会おうという事で、
お参りも兼ねて、
簡易な同窓会になった。
参拝も済み、
丘の中腹の
母校の上にある集会所で、
飲んで食べて歌ってた。
そんな時、
Tが入って来たのだ。
驚いた俺だが、
Iが肩を叩いて
『分かってる・・・』
というような目で見てきた。
皆も同じ感じだった。
女子に至っては、
「T君こっち来なよ~」
なんて言ってる。
『そうか、みんな分かってるのか。
だよな、Tも会いたかったんだよな~』
そう思った俺は、
その後も楽しく遊んだ。
そろそろどうしようかという時、
2次会の話になった。
皆は行くようだが、
俺は仕事があったので断った。
でも、
皆しつこく誘って来る。
もちろんTも。
あんまりしつこいので
強引に帰ろうとして、
Iに「ほんとごめん、帰るよ」
と言って、襖に向かった。
ガシ!っと、
Iに腕を掴まれた。
「ほんとダメなんだよ~」
と言って振り返えると、
Iも他の皆も
白目の薄ら笑いで、
「いいからお前も来いよ」
と言う。
俺はとっさにIの腕を振り払い、
集会所を飛び出した。
2~3日経ってから
Iに電話を掛けてみたら、
連絡がつかない。
別の奴に掛けても、
誰一人、電話に出ないのだ!
あれから何年経ったんだろう・・・。
俺はあの時、皆と一緒に
行くべきだったんだろうか・・・。
(終)
うーんこれは…
『貴方が行った同窓会は貴方の想像上の事では無いでしょうか』
の案件じゃ、ないよな…