双子の弟の異常な感情 1/2
※この話には強い性的表現が含まれていますので閲覧の際にはご注意下さい。
姉の腕に抱かれ、
そして眠る。
僕がドアをノックしたら、
お姉ちゃんは優しく迎え入れて
くれないといけないよ。
それは義務であり、
使命だ。
私の弟は異常者だ。
姉弟である私に、
姉弟愛では無い、
恋愛感情を求めている。
その弟の異常性に気付いたのは、
彼が中学二年の頃だ。
私と弟の部屋は共同で、
ベッドも一つ。
双子として生まれ、
物心が付いてからは、
いつも二人で一緒に
寝てきたことを覚えている。
だけど、弟の異常な
性に気付くまで、
私は彼と二人で寝ることを
嫌だとは思っていなかったし、
隣に弟がいると安心した。
周りには仲の良い姉弟だと
認識されていたと思う。
私も弟のことが好きだったし、
弟も私のことが好きであったと思う。
だけど、その間にあったのは
姉弟としての愛だ。
引っ込み思案であった弟は、
あまり友達の多い方では
無かったし、
性格も明るくは無かった。
でも、姉である私に対しては、
優しくて思いやりのある弟だった。
誕生日には、
私の欲しがっていた手帳を
プレゼントしてくれたこともあったし、
母親や父親と喧嘩して
泣いていた私に、
弟はいつも優しくしてくれた。
つまり、
私にとって弟は
心強い味方であったし、
優しい友達でもあった。
だから毎日弟とばかり遊ぶのは
嫌では無かったし、
楽しかった。
幼稚園、小学校と
同じ学校を通ってきた私達は、
中学も当たり前かのように
同じ公立の中学校へ進学した。
周りの環境は変わったけれど、
本質は何も変わっていない毎日が
繰り返されているだけだと思っていた。
ある晩、
いつもの様に弟と
ベッドで眠っていた時、
私は深夜に不意に
目を覚ましてしまった。
ゆっくりと目を開けた。
そこには、
薄暗い闇の中で
私を見下ろしながら
性器を取り出し、
必死にそれを揺れ動かしている
弟の姿があった。
口元には笑みを浮かべていた。
しかし、
私の目が開いているのに
気付いたのか、
弟は不思議そうな表情で
マジマジとこちらを見つめている。
「あれ?お姉ちゃん・・・
起きてたの?」
その時の私は、
弟の行為の意味を
理解していなかった。
だが、背筋に走る冷たいものが、
理解し難いものであった。
私は返事をしなかった。
いや、
出来なかったのかも知れない。
とにかく言葉を失った。
そしてそのまま
寝返りを打ったフリをして、
目をつぶった。
弟は私が寝ているのを
半信半疑の様子だったが、
そのまま横で
眠りについたようだ。
いつも横にいて安心を
与えてくれるはずの弟が、
今日は何か得体の知れない
人間に感じられた。
怖い・・・。
恐怖で身を固まらせながらも、
私はやがて深い眠りに落ちた。
(続く)双子の弟の異常な感情 2/2へ