ベッドの周りを走り回る気配と笑い声
夜中にベッドで寝ている時、
女の子の笑い声が聞こえてきた。
耳元と言うほど近くはなかったが、
なんとなく耳につく。
(一体なんなんだ?)
と思いつつ気になっていると、
段々と声が大きくなってきた。
耳元でざわつくモノの正体とは・・・
そのうち、
耳元で大きな笑い声が聞こえ始める。
「きゃははははは~~!
きゃははははは~~!」
まるで、”字で書いたのような笑い声”
という感じだった。
すると、寝ているベッドの周りを
何かが走り回る気配がする。
・・・女の子だ。
ベッドの頭側と左側は壁なので、
生身の人間とは到底思えなかった。
怖い怖い怖い・・・と思っていると、
女の子は不意に立ち止まり、
「よかったね~よかったね~」
と言い出す。
いい加減、怖いのとイラつくので、
「何がよかったんだよ、バカ!」
と心の中で叫ぶと女の子は無言になり、
私の首に右側から倒れ込んできた。
私はそのまま首を圧迫される。
苦しい!怖い!と、もがき、
必死でお経を唱えた。
・・・すると、
息苦しさは消えたものの、
笑い声だけが耳に残る。
(何とか助かったか・・・
声も遠のいているし・・・)
とは思ったものの、
なんとなく遠のいていく声が気になり
耳を澄ましてみると、
笑い声がカムバックしてくる。
(これはいけない!!
女の子が帰ってくる!!)
必死で他の事を考えているうちに、
いつの間にか眠りについていた。
初めて命の危険を感じた体験だった。
(終)