蛙毒 5/5
それは水槽だった。 蓋がしてあり、 中で小さな何かが蠢いている。 コオロギだ。 水槽の中には、底を埋め尽くすほどの コオロギが居た。 その大半は動かず、死んでいるよ・・・
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それは水槽だった。 蓋がしてあり、 中で小さな何かが蠢いている。 コオロギだ。 水槽の中には、底を埋め尽くすほどの コオロギが居た。 その大半は動かず、死んでいるよ・・・
私「どうして、そんなことするんですか?」 「とっと昔にね。何か村で ごたごたがあったらしいんよ。 妹か弟が病気で死んだんやったかな・・・。 詳しくは知らんけんど。 それをまだ根に・・・
当時、私はオカルトというものに 目覚め始めていた。 そうでなくとも、不思議や謎に 一番関心のある年頃だ。 それに、一度気になると、 動かずにはいられない。 自分で言うのもなんだが・・・
だからといって、 ここで殺す必要は何処にも無い。 しかし、そんなことをOに言っても 無駄だということは分かっていた。 私は、内蔵の飛び出た蛙の死体に 対してではなく、 O自身に対・・・
私が中学生だった頃の話だ。 ある夏の日のこと。 その日、私が学校に行くと、 教室の隅に人だかりが出来ていた。 一部の男子たちを中心に、 何か騒いでいるようだ。 私「・・・
袋に入っていたのは、 水と米だった。 墓の上から水を掛け、 米を供え手を合わせ、 瞑想する。 それが終われば、隣の墓に移る。 上の段から順々に。 しばらくその様子をぼんやり眺めて・・・
とりあえず、家から持って来たホウキで、 目に付くゴミを片っ端から片付ける。 くらげも近くの雑草などを抜いて、 出来る限り手伝おうとしてくれていた。 掃除をしている最中、ふと、 一番新しそうな墓・・・
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