コテージの扉を開けて中に入ると・・・
これは、とある土日に一泊旅行をした時の話。
前もって一棟貸しのコテージを予約していた。
当日の朝、周辺観光を楽しんだ後、午後2時過ぎにコテージに到着。
ちょっと早いかな?と思いつつ受付に行くと、「もう清掃が終わっているからいいですよ」と言われたので、受付を済ませて鍵を受け取った。
私と2人の友人とでワイワイ言いながらコテージに到着する。
そしてコテージの扉の鍵をガチャっと開けて中に入ると、正面のリビングに女の子が立っていた。
あまりにもびっくりして「ヒッ!」と息を吸ってしまい、3人とも声も出せず、動けなかった。
けれど、その隙に女の子がサッと奥の部屋に入っていった。
(ここの子?泥棒?イタズラ?)
追いかけるのもなんだか怖くて、一旦受付に戻り、管理人さんに相談することに。
今あったことを話したところ、管理人さんは明らかに表情が変わり、「少々お待ちください」と言い残して奥へ行くと、どこかに電話をしているようだった。
その後、他のコテージに案内され、楽しく一泊を過ごせたけれど、どうしてコテージが変更になったのかは謎のままだった。
変更されたコテージは、グレードアップされてジャクジーバス付きだった。
管理人さんは、「お掃除が中途半端になっていたみたいでご迷惑をかけましたので…」と言われたけれど、予約時間より早めに着いたのはこちらなのにと思いつつ、ご好意に甘えた。
それから1年が経ち、今年もまたあそこのコテージを利用しようかなとサイトを確認してみたところ、私たちが借りようとしていたあのコテージが無くなっていた。
見た目では、わりと新しい綺麗なコテージだったのに。
え?まさかあの女の子は幽霊だったの?でも昼間だったし普通の子のようだったけれど…となり、そんな体験をしたことに衝撃を受けた。
他の理由で閉鎖されたのかもしれないけれど、わざわざ連絡して聞くのも憚(はばか)られるので悶々としている。
(終)