中学卒業から20年ぶりの奇妙な再会

ある日、

 

星野という人の家に

手紙が届きました。

 

その手紙は、

 

中学で同級生だった

村瀬という人物からの、

 

同窓会への誘いでした。

 

懐かしいな~、

 

あのイジメられっ子だった、

あの村瀬か。

 

そういえばアイツ、

 

卒業式の日もタイムカプセルに

閉じ込められて泣いてたっけ。

 

卒業式から20年経ち、

 

すでに中年といえる

年になった星野は、

 

若かった頃の思い出が

ふつふつと込み上げてきます。

 

そして、

 

この同窓会に行くことを

決意しました。

 

当日、居酒屋には

12人が集まりました。

 

まあ仕事もあるし、

家庭もあるのだから、

 

全員が集まらないのは

仕方ないのですが、

 

同窓会に来るはずだった

村瀬は来ませんでした。

 

そしてすっかり

酔いも回った頃、

 

「忙しく、飲み会には

参加出来ないので、

 

タイムカプセルを置いた

防災シェルターで待っています」

 

というメールが、

星野の携帯に入りました。

 

タイムカプセルの事を

思い出した面々は、

 

さっそく車を走らせ、

 

20年前に通った中学校の

校庭の一角にある、

 

防災シェルターを目指しました。

 

酔った勢いで、

 

20年間使われる事の無かった

シェルターの鍵を壊し中に入ると、

 

変な匂いが漂っているのが

感じられました。

 

匂いの元とタイムカプセルは、

わけなく見つかりました。

 

フロパンガスの缶が

タイムカプセルのそばに、

 

青白い顔をした少年と共に

転がっていたからです。

 

その少年を見た瞬間、

一同は凍りつきました。

 

20年前とまったく変わらない

村瀬の姿がそこにあったからです。

 

そして次の瞬間、

 

少年は手に持っていた

ライターを点けました。

 

以下、後日談。

 

昨夜、

 

●●中学校で起きた事件について

続報が入りました。

 

この事件は検死の結果、

 

死後約20年程が経過している事と

現場で発見された証拠により、

 

少なくとも1名がガスを吸引し

自殺した事が分かっていますが、

 

残り12人については、

詳しい死因は分かっていません。

 

(終)

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