ホラー雑誌の投稿バイト
ホラー雑誌の心霊スポットの読者コーナーに
投稿するバイトをやったことある。
交通費とか食費とか、必要経費だけ渡されて、
従姉と一緒に三池炭鉱の近くの廃屋を探検して、
写真を撮りまくってた。
鳥の死骸とか大量にあって、
メチャクチャ怖かった。
とりあえず昼から夕方まで歩きまわってたんだが、
帰ろうとしたら自転車が盗まれてた。
誰も通らないような寂れた場所なのに盗まれてたから、
2人で「やばい、絶対やばい」とか騒ぎつつ
歩いて帰りはじめた。
田舎なんで街頭とかも無いから、
懐中電灯の灯りを頼りに家まで帰ろうとしてたんだけど、
何かに躓いて途中で俺の靴が片方脱げて転んだ。
すぐに履こうとしたんだが、
どこを探しても靴が見つからない。
仕方ないから半泣き状態の俺を、
従姉がおんぶしてくれて急いで家まで帰った。
帰り着いたら母に、
「勝手に遅くまで遊んでるんじゃない!」
ってこっぴどく怒られたんで、
靴を失くしたことは言わないことにした。
翌日、カメラを廃屋に忘れていたことに
従姉が気付いたので、
暗くなる前に取りに行きたいけど1人じゃ怖い
ってことで、2人で朝から廃屋に向かった。
カメラは簡単に見つかったんだが、すぐそばに、
なぜか昨日失くしたはずの俺の靴が落ちてた。
その時は何も思わずに靴を拾って、
お気に入りの靴だったし「見つかってよかー」って
喜んでたんだが、今考えるとおかしいよな、絶対・・・。
(終)