深夜に家の門前で立っている女の子

 

私は職業柄、

 

深夜遅くまで自宅で

作業している事が多い。

 

そんなある日の深夜、

ふと窓に何かがぶつかる音がした。

 

もし夏だったら、

 

私の自宅は田舎なので

カナブンか何かだろうと思うが、

 

その時の季節は冬だ。

 

不審に思った私は、

 

部屋の換気も兼ねて、

窓を開けて外を見てみる事にした。

 

家は一軒屋なのだが、

 

門の前に女の子が

背を向けて立っている。

 

年端は小学生高学年

といったところだろうか。

 

夜中といっても、

とっくに1時は回っているし、

 

歩ける距離にコンビニも

自販機さえ無い。

 

その時、

 

俯き加減だった女の子が

突然こちらを振り向いた。

 

･･･目が合った。

 

さすがに気味が悪くなった私は

愛想笑いをして、

 

すぐさま窓を閉め、

寝る事にした。

 

少し恐怖はあったものの、

 

心霊の類に遭遇した事のない私は

そのまま眠りにつき、

 

そして何事もなく朝を迎える。

 

昨日の女の子は何だったんだろう･･･

 

親とケンカでもしたのかなと思いつつ、

 

カーテンを開け、

再び門の前を覗いてみる。

 

すると、

 

窓に無数の子供の手形が

付けられていた。

 

それらは全て『内側』から

付けられたものだった。

 

そして･･･

 

窓に映り込んだ部屋の中には、

その女の子が立っていた。

 

私には、

今ここで振り向く勇気がありません。

 

（終）