なんだ寝てるのか、いいよ起きなくて
その日の夕方、新聞の勧誘にやって来た人が玄関のチャイムを連打するように鳴らし続けた。
俺はその時、ベッドに横になって本を読んでいたので無視していたら、その人は笑いながら「なんだ寝てるのか」とドア越しに言った。
それも、少し頭がおかしいような笑い方だった。
俺はその事に気持ち悪くて起き上がると、今度は「いいよ起きなくて」と言う。
しばらく固まった後でまた横になったら、偶然な事に「そうだ、寝な寝な」と言う。
驚いてまた起き上がったら、「いいって、寝なよ」と言う。
このおかしなやり取りをもう1セットほど繰り返した後、その人は笑いながら奇声をあげて去って行った。
ちなみに、玄関ドアの郵便受けやレンズは塞いでいるので、どこから覗かれていたのか全く分からない。(そもそも覗かれていなかった?)
その後にその新聞屋の人が近所を回っているところ見たけれど、大声で笑いながら独り言のような事を言っていて怖いと思った。
これは決して作り話ではなく、埼玉県草加市にて7年前にあった出来事。
(終)
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