クソガキだった俺はジャンキーな味が好きだった
これは、俺が子供の頃の話。
俺の家庭は両親が共働きだったので、食事は祖母が作ってくれていた。
祖母が作る食事は、上品な純和風の味。
でもDQNなクソガキだった俺は、ジャンキーな味が好きだった。
「おばあちゃんの料理は味がなくておかずにならないから食べない」
そう言って、せっかくの卵焼きを食べずにカップラーメンを食べていた。
そんな祖母の死後、ノートが見つかった。
ノートには、丁寧に餃子の作り方をメモしてあった。
肉を多めにしないと●●(俺の名前)は食べない。
具はキャベツでなくニラにすること。
さらにオムレツの作り方では・・・
よくかき混ぜること。
白身が残っていたり、カラザ(白いひも状のもの)があると●●は食べない。
半熟にすること。
しかし液が垂れると●●は食べない。
そしてカレーライスの作り方では・・・
ジャワカレーは●●は食べない。
豚肉もダメ。
とろみがあるバーモントカレーにすること。
人参は入れない。
祖母のノートを見た俺は泣いた。
そして反省した。
でも俺の偏食は治らなかった。
今では立派な腎臓病を抱えている。
(終)
怖い話かこれ?