君たち、UFOを見たくないかい?
この話は、誰も信じてくれないけれど本当にあった不思議なお話です。
かれこれ20数年前、私はまだ4歳でした。
当時、限りなく埼玉に近い東京の集合団地に住んでいました。
夕方の6時くらい、私はお母さんと家にいました。
7つ上のお兄ちゃんは、もう外は暗くなっているのに団地の前で友だち数人と遊んでいて、なんだか大変盛り上がっているようで、家の中にも声が聞こえていました。
しばらくすると、お兄ちゃんが目を輝かせてダッシュで帰ってきました。
そして私に言ったのです。
「ウパ子(私)!UFOが来たぞ!一緒に外に行こう!」
4歳の私は、無邪気に「わーい♪ユーホー見たいー!!」と、お兄ちゃんと外に出ました。
どなたか信じてくれますか?
すると、お兄ちゃんの友だちが男女揃って10人くらい、空を見上げて歓声を上げていました。
そして、真ん中には作業着のおじさん。(吉幾三風)
そのおじさんは、どの子供たちよりも興奮して空を指差し、「ほら!ほら!UFOだっ!!見て見てアソコ!あ!また違うの来た!!」と騒いでいました。
私が空を見上げると・・・、いました!
それは、すっかり黒くなった空に、青い光を放っていました。
ゆっくりゆっくりと、団地の上空を飛んでいきます。
楕円形で、青いライトが規則正しくチカチカと光っています。
はっきり言って私は、「へー、あれがユーホーっていうひこーきかぁ。めずらしいんだなぁ」くらいの感想でした。
UFOを見た事実より、みんながスゴイスゴイと騒いでいることに興奮していました。
UFOはフワフワと移動して、数分で見えなくなりました。
UFOを見送った後、自然とみんな帰る雰囲気になって解散しました。
謎のおじさんも、お兄ちゃん達とちょっと喋って帰っていきました。
ここからは、後から兄に聞いた話です。
あの日、お兄ちゃんは友だちと団地前で遊んでいました。
暗くなりかけた頃、謎の作業着のおじさんが現れました。
そしてお兄ちゃん達は、「君たち、UFOを見たくないかい?ちょっと手伝ってもらえるかな?」と話しかけられたそうです。
どうやらおじさんは、見た目に寄らず『博士』で、長年の研究の末にUFOの呼び方を発見したらしいのです。
が、お兄ちゃんももう高学年。
さすがに胡散臭いとは思ったけれど、おじさんは気さくで良い人そうだから協力することにしました。
やり方は至ってシンプル。
中央におじさんを挟んでみんなで手を繋ぎ、「UFO来い来い」と念じるだけ。
この時、空には薄っすら3つ並んだ星が見えていて(オリオン座?)、おじさんは「あの3つ並んでる星を見ていて」と言いました。
すると、なんと真ん中の星がチカチカと点滅しました。
お兄ちゃん達は大興奮。
「おー!すげー!」と盛り上がっていると、その点滅した星の向こう側から何かが飛んできたそうです。
UFOです。
もうみんなびっくり。
なぜだかおじさんが一番びっくりしていたそうです。(笑)
ここで、お兄ちゃんは私にもUFOを見せようとダッシュで家に。
私が外に出た時にもまだ見えたそうですが、私はおじさんに釘付けで見逃してしまいました。
そして2機目が飛んできて、これが私が見たUFOです。
1機目は、赤いライトのUFOだったらしいです。
大人たちは誰も外に出てくれなかったので目撃していません。
なので、一生懸命に「UFOを見た!」と伝えましたが誰も信じてくれませんでした。
以上が、私が体験した不思議なお話です。
私と兄は、そのおじさんを『UFOおじさん』と呼んでいます。
その後、私は昼間の公園で、作業着姿のUFOおじさんを何度か見かけています。
兄いわく、おじさんは「そろそろ宇宙人と会えそうなんだ」と言っていたそうです。
今も兄とはたまに、「UFOおじさんは今ごろ宇宙人と暮らしてるかな~」なんて話します。
どなたか信じてくれますか?
そして、UFOおじさんに出会ったことのある方はいませんか?
(終)