布団の上を何かが歩いている感覚
これは、去年の正月に帰省した時の話。
事情があって、実家では父と兄が同じ部屋で睡眠をとっている。
「どうもこの部屋は出るらしい」と、二人で意見が一致していたそうだが、その出るモノというのが布団の上を歩く感覚からして小動物ぽいらしい。
時々は布団の中に入ってきて、寄り添うまでの感覚があったそう。
そんな事がおととしから去年の正月まで続いたそうだが、その正月に私が飼い猫を連れて帰省し、一晩留守にした時に猫を預かってもらった。
何とも不思議だが、それからはその小動物ぽいモノが現れなくなったらしい。
実家では昔に猫を2匹飼っていたので、もしかして亡くなって数年経ってもまだ出て来てくれていたのだろうか。
そこへ私の飼い猫が来たことによって、自分の存在が不要と感じて現れないようになったとしたら、とてもすまない事をしちゃったなぁと少し申し訳ない気がする。
帰省から戻った後、実家にいる母から「○○ちゃん(私の飼い猫の名前)、もしかして連れて帰ってしまってない?」と真面目に聞かれたが、そんな様子は感じなかった。
本当にピタッと現れなくなったらしいので、あれが元の飼い猫だったとしたら不憫な事をしてしまった。
(終)