うちの猫ではない別の猫が布団に入ってきた
これは、猫にまつわる不思議で少しほっこりとする話。
ある晩、寝ている時に、うちの猫ではない『よその猫』が布団に入ってきた。
うちの猫は右脇、その猫は左脇に入り、俺の贅肉のお腹をモミモミ、そしてパジャマをチュッチュし始めた。
顔も小さいし、すごく仕草が可愛い。
うちの猫は小さい時にチュウチュウと何かを吸うということがなかったので新鮮だった。
ちっちゃなお手々、プニプニの肉球、ちっちゃな頭、それはもう幸せ。
俺も結構おめでたい性格で、猫というか動物なら何でもウエルカムだ。
その不思議な状況を深く考えず、「両脇から猫を抱っこ出来て今夜はなんていい夜なんだぁ」と二匹の猫を満喫していた。
翌朝、よその猫は消えていた。
よく考えれば、うちは猫を完全室内飼いにしている。
だから猫は出て行くこともできなければ、どこからも入って来ることもできない。
それに気づいても、特に気持ち悪いとは思わなかった。
ちなみに、隣の部屋のうちの姉ちゃんは霊感があるのだが、「あんたの部屋に猫が入ってったから心配したけれど、どうも成仏したみたいね」と言った。
どうも動物供養の基本は、『怖がらない』、『愛する』事だそうだ。
動物が好きな人は動物の霊が引っ付いてしまうことがあるそうだが、人間と違い、あっけらかんとした霊が多いらしい。
また、そういう人は知らず知らずのうちに供養しているような事があるそうだから、特に気にせず動物を可愛がり続ければいいみたいだ。
(終)