姿が見えない深夜2時半の訪問者

ドアノブ

 

それに気が付いたのは一昨年の10月頃でした。

 

夜中の2時半頃になると、玄関のドアノブがガチャガチャと回される。

 

最初に遭遇した時は「風か?」とあまり気にしなかったのですが、トイレやリビングでテレビを見ていると、またガチャガチャと玄関のドアノブが回され、時間を見るとやはり2時半前後。

 

ドアを開けるのだけは嫌な予感がして開けなかったのですが、スコープから外を見ても誰もいないようでした。

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もしドアを開けていたら・・・

ある日、いつもは早寝の旦那に付き合ってもらって玄関を見ていると、やはり夜中の2時半頃にドアノブが回されました。

 

すぐさま旦那がスコープを覗いたのですが、やはり誰もいない様子。

 

ただ旦那も、「嫌な予感がするから開けて確かめるのはやめよう」と言いました。

 

(何かが家に入ろうとしている?)

 

結果、私たち夫婦が取った行動は『放置』でした。

 

スコープで見る限り誰もいないのだから、気にしない事にしたのです。

 

それから年が明け、相変わらずドアノブは回され続け、私はそれから2ヵ月後に身体の具合を悪くしました。

 

近所の病院で診察と内診を受けると、医者の顔色が変わりました。

 

すぐに癌検査が行われ、2日後には癌が発覚しました。

 

急いで大きな病院を紹介され、詳しい検査と手術をして何とか一命を取り留めました。

 

1ヵ月半ほど入院し、久しぶりに自宅へ戻りました。

 

入院中は忘れていましたが、自宅の玄関を見るとドアノブを回す訪問者を思い出し、旦那に聞いてみました。

 

すると旦那も私の入院や手術があってすっかり忘れていたらしく、その夜に旦那一人で見張る事に。

 

翌日、旦那の報告によれば、3時まで起きていても誰もドアノブは回しに来なかったそうです。

 

何となくですが、あれは『死神』だったんじゃないかな?と思っています。

 

旦那は普段は怖がりな人でもないのですが、あの時は「開けたらダメだ!」と思ったそうです。

 

怖い人や幽霊などではなく、家に怖いモノが入って来る、そんな感じでした。

 

もしあの時ドアを開けていたら、たぶん私の癌は手遅れだったんだろうなと思います。

 

(終)

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One Response to “姿が見えない深夜2時半の訪問者”

  1. 匿名 より:

    教えてあげたかったのでは?

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