毒キノコって旨いらしいよね
これは、キノコ採りに数人で出かけた時の話。
きっかけは、その中の一人が「穴場を見つけた!」と誘ったから。
当日、目的の場所へ行ったものの、お目当てのキノコが少なく、怪しげなキノコがたくさん生えている。
その中に、「僕を食べたら死にますよ?」と訴えかける『ベニテングタケ』が生えていた。
ふと、誰かが悪魔の囁きを言った。
「毒キノコって旨いらしいよね」
続いて、自称キノコ博士のヤツが「それ少量なら大丈夫だよ。旨いよ」と。
一瞬、沈黙した後、みんなの目が「食ってみるか!」という感じに輝いていた。
早々採った一本に酒をかけ、ホイル焼きが出来上がり、醤油を少々。
縦に裂けるので、少しずつ分けて食べてみた。
「旨いんじゃね?これ!」
「いける!いける!」
賞賛の嵐だ。
しかし、もう一口食べようとした友人に、自称博士がボソッと言った。
「あ、その二口目が命取りね」
言うまでもないが、友人の口からポタッとキノコが落ちた。
曰く、ベニテングタケを食べても簡単に死にはしないらしいが、山中で食べてしまうと間接的に命取りになるという。
こういうキノコを食べてもいいのはマリオだけだ。
※ベニテングタケ|参考
毒キノコ。食べると嘔吐や下痢などの消化器系の中毒症状や筋肉の痙攣、一時的な精神の錯乱などが起こるとされています。(引用元:きのこ図鑑)
(終)
以前は『可食』とされていたモノすら、『条件付有害』に変わったりする様なモノを、ノリで食おうとしてはいけない。
いや、ほんと、マジであれだ。ぽっくり逝くなら未だ良くて、重篤な障害残って家族一族に迷惑掛かる場合もあるからな?