妻が亡くなってから起き始めた不思議な遭遇
これは、本当にあった漫画のような体験話。
俺は妻を1年前に亡くした。
享年38歳。
同い年の幼なじみだった妻の優子(仮名)は、それはそれは可愛くて、ガキの頃から「こいつと結婚してやる!」と思っていた。
外見も年を重ねるにつれて、それ相応にどんどん綺麗になっていった。
4歳から38歳までの優子とのツーショット写真が多くあり、アルバムの数もどんどん増えていった。
でも、もうアルバムが増えることはない。
優子が亡くなって3ヶ月ほど経ったある日のこと。
まだ優子の死を引きずっていた俺は、孤独を紛らわすように居酒屋で一人呑みをしていた。
すると、隣に若い女性が座ってきた。
その女性が優子の若い頃、25歳くらいだった時の彼女にそっくりで心底驚いた。
その女性と会話をしてみるが、当たり前だが名前も違うし喋り方も違う。
俺はついベラベラと「妻にそっくりなんだよ…」と話していた。
その女性とはそれっきり。
それから1ヶ月ほど経ったある日、俺の働いている店に女子高生の集団がやって来た。
そのうちの一人が、これまた優子にそっくりだった。
優子がそのまま16歳くらいまで若返った感じ。
ただその来店以降、他の子はちょくちょく来るのに彼女だけ来ていない。
さらに2ヶ月ほど経ったある日、俺の職場に社会科見学で30人ほどの小学生がやって来た。
小学4年生らしい。
もう察しがついていると思うが、そのうちの一人が優子の子供の頃にそっくりだった。
少し色素が薄い髪や白い肌、ほっぺが赤いところまで似すぎていた。
ついつい魅入ってしまって、同僚にロリ●ン扱いされる始末…。
そして、優子の妹夫婦のところに先月生まれた女の子。
優子のご両親が泣いて喜んでしまうほど彼女に似ていた。
俺と義妹夫妻は仲が良いのでもちろんその女の子とも何回も会うのだが、日に日に優子に似てくる。
義妹も優子が赤ちゃんだった頃の写真と見比べながら、「姉ちゃんや…」と驚いていた。
俺はオカルトや生まれ変わりを信じるような人間ではなかったが、あまりに優子のそっくりさんと度々遭遇するので、若返って俺に会いに来たんじゃないか?とさえ思っている。
(終)