夢の中で亡き人からの頼まれ事
これは、亡くなった叔父さんの話。
叔父さんの法事の前日、私は夢を見た。
夢の中で叔父さんに、「悪いけど煙草を1箱だけ買って来てくれんか」と頼まれたので、目が覚めてから買いに行った。
ちょうど法事なんだから墓前に供えればいいかな、と。
そして叔父さんの家に着くと、従姉妹も私と同じように煙草を1箱持って来ていた。
不思議に思って聞いてみると、従姉妹も夢で叔父さんから頼まれたとか。
あの叔父さんって煙草を吸うイメージが強いもんねと笑って、二人で叔母さんに渡した。
「叔父さんが私たちにお使いを頼んだんですよ。お供えさせて下さい」
叔母さんにそう言うと、とても驚いていた。
なんでも、叔父さんは毎日2箱ほど吸う人だったらしい。
もちろん私たちは知らなかった。
叔母さんは、「いつもそんなに煙草を吸わないでと注意していたのよ。だから私に怒られるのを気にして、あなた達に1箱ずつお願いしたのかしらね」と泣き笑いした。
単なる偶然かもしれないけれど、それでも叔父さんらしい気の遣い方だと思った。
(終)
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