神社の裏にあった古い祠
私が小学生の時に体験した
本当の話です。
友達と神社で遊んでいました。
確か、鬼ごっこをしていたと思います。
私は捕まらないように、
神社の裏の古い祠の中に隠れました。
もし入って来たら、
裏の扉から逃げるつもりでした。
祠の中で隠れていると、
今まで聞こえていたはしゃぎ声が、
だんだん聞こえなくなりました。
不審に思い、
扉を開けて外を見たら、
誰もいません。
あれ?と思い、
辺り中を見回したら、
幼稚園ぐらいの男の子が
2人いました。
「ここら辺に3人の男いなかった?」
「いなかったよ~」
「おかしいなぁ~」
「一緒に探してあげようか?」
ありがとうと言って、
一緒に探しました。
だけど、いくら探しても
いないのです。
神社の中、
神社の外を見てもいません。
私は、「ありがとう、もういいよ」
と言って、2人を帰しました。
そしてもう一度、
あの古い祠に入っているかいないかを
見ました。
やっぱりいないので、
きっと、からかわれたんだ・・・。
明日、学校で怒鳴ってやろうと思い、
外に出ました。
自転車に乗って帰ろうとしたら、
「あ!いたいたー」
と、声が聞こえました。
それは友達でした。
「お前、どこ行ってたんだ!」
と、叫ばれました。
「何言ってんだ。
俺はそこの祠に隠れてたんだぞ。
お前らこそ、
どこに行ってたんだ」
と、言い返しました。
そしたら、「祠?」と、
怪訝そうな顔で言われました。
「ほらそこの・・・」
祠なんて、
どこにもありませんでした。
「お前、何言ってんの?」
と、笑われました。
そこには水子地蔵がありました。
あの祠は何だったのでしょうか。
それと、あの子供は
誰だったんでしょうか。
未だに分かりません。
(終)