深夜の火葬場で肝試しのはずが 2/2

 

「明日は昼からプールに行こうぜ」

 

そんな話をしながら、

Yの部屋で雑魚寝することに。

 

ですが、

みんながウトウトと寝始めた頃、

 

窓がガタガタうるさい事に

気付いたんです。

 

「何かうるさくねぇ?」

 

と俺が言うと、

みんなも同じように、

 

「だよね、うるさいよね」

 

と部屋に一つしかない窓を見ました。

 

しばらくの沈黙の後、

Aが、

 

「おい・・・

誰かカーテン開けろよ」

 

と、みんなが思っていた事を

口にしました。

 

Sが無言で立ち上がり、

勢いよくカーテンを開きました。

 

「うわああああああああああ!!」

 

カーテンにはびっしりと、

無数の手!

 

大きなものから小さなものまで、

隅から隅まで白い手形が沢山。

 

しかも、

 

Yの部屋の窓は曇りガラスで、

ハッキリと物が見える事なんてありません。

 

それが、曇りガラスよりも

クッキリと手形が・・・。

 

俺は失神しました。

 

翌日、

プールに行く気分にもなれず、

 

Yの親御さんに連れられて、

神社へ御祓いに行ってきました。

 

どうやら『連れてきた』のは、

やはり俺のようです。

 

詳しい話を聞こうとしたのですが、

親御さんは何も教えてくれませんでした。

 

ただただ、

 

「この事は忘れなさい」

 

と言うだけで・・・。

 

俺は一体、

何を連れてきたのでしょうか。

 

今となってはみんなとも疎遠で、

確かめる手段もありません。

 

(終)

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