消えたテレビの画面に映し出されたSOS

テレビ

 

あれは8年程前、

 

夜8時頃に友人とゲーセンで

遊んでいた時のこと。

 

2時間くらい遊んだところで、

友人の携帯電話が鳴った。

 

当時は彼女がいなかった俺に

友人は気を遣ったのか、

 

家に遊びに来ていた彼女を

自分の部屋で待たせたまま、

 

近所のゲーセンで俺と遊んでいた。

 

着信はその彼女からで、

“すぐに帰って来て欲しい”という。

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彼女の身に何が起きているのか・・・

「邪魔すんじゃねえよ。

じきに帰るからよ~」

 

とだけ言って、

ぶっきらぼうに電話を切る友人。

 

すると、

またすぐに鳴り出す友人の携帯。

 

とにかく早く帰って来て欲しいようだ。

 

そんなやり取りが3~4回続いていた。

 

俺も何かあったんじゃないかと思って、

 

「気なんか遣わなくていいから帰れよ。

待ってんだろ?彼女」

 

と友人に言った。

 

すると友人は・・・

 

「実は俺さあ、

あの部屋に帰りたくねえんだよな」

 

とボソっと呟いた。

 

そういえば、

一週間前に友人の家に遊びに行った時、

 

部屋のドアや窓の付近に盛り塩がいくつか

置いてあるのを思い出した。

 

部屋のイメージに合わなすぎて、

 

なんでこんなもんが部屋にあるのか?

半分笑いながら訊いてみると、

 

友人は兄に連れて行ってもらったらしい

ラブホテルの廃墟に肝試しへ行って以来、

 

金縛りや布団の上に誰かが乗って来たりと、

不可解なことがずっと起こっているらしかった。

 

俺も数年後だが、

 

今も実際にあるそのラブホテルの廃墟に

行ってはみたが、

 

凄まじく不気味な妊婦の絵が

あちこちに書いてあるだけで、

 

その後も特に霊障などは何も無かった。

 

俺と友人は一緒に、

彼女のいる部屋に行くことにした。

 

すると・・・

 

「テレビが消えない!」と言って、

彼女は震えていた。

 

テレビを見ると、

 

なぜか消した時にだけ点く電源ランプが

赤く点灯している。

 

(テレビは消えているはずなのである

 

その真っ黒なテレビの画面には、

砂嵐で『SOS』の三文字を形作っていた。

 

ただこれだけのことだったが、

 

リモコンやテレビのボタンをいじっても、

反応がなく文字は消えなかった。

 

三人で顔を見合わせ、

 

「おいおい・・・なんだよこれ・・・

ヤベえんじゃねえか、コレ・・・」

 

と、かなり動揺していた。

 

俺はテレビの電源ボタンを直接押してみると、

文字がプツっと消えた。

 

心霊現象的なものは初めてだったので、

 

当時は『SOS』を消してしまった俺の身に

何かが絶対に起こるはず・・・

 

と、かなり怖かった。

 

(終)

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