ゼッタイニニガサナイ
ある気の強い女(仮名:吉川ひかり)
がいた。
女は一人暮らしで、
毎月ブランド物の服などを
買っては散財していた。
ある男がブランド物に包まれた
女に目を付け、
女の後を付けて
強盗に押し入った。
そして男は、
女が好みのタイプだったため、
さらに強姦した。
女は強姦され猿ぐつわをされ
縛られた後にも、
物色する男に向かって、
「警察に言う、顔は覚えた。
絶対に許さない」
などと叫んでいた。
男はこの女をこのままにしていては、
いずれ捕まってしまう
かも知れないと思うが、
といって、
殺す勇気もなかったので、
脅しのつもりで台所から
包丁を持ってきた。
男は女が包丁を見ると、
怖がって静かになるのを
期待したが、
女は逆に暴れ出した。
焦った男が
左手で女の首を掴み、
右手に包丁を持って
女に突き立て、
「静かにしろ!」
と言ったが、
女は余計に暴れ、
男を思いきり突き飛ばした。
突き飛ばされた男は
カッとなってしまい、
手に持った包丁で
女の顔を突いた。
ギャッという悲鳴と共に、
女が顔を手で押さえてうずくまった。
女の右目をまともに刺して
しまったようだ。
女は嗚咽しながら、
「コロシテヤル、コロシテヤル・・・」
と呟いている。
男は逃げようと思ったが、
女に顔を見られているし、
この女も救急と警察を呼ぶだろうから
直ぐに捕まってしまう。
ふと男は、
この女が自分の特徴を伝えられない
ようにすればいいと思った。
そこで男は、
うずくまっている女の髪を掴み、
残った左目に勢いよく
包丁を振り落とした。
猿ぐつわの中で女の絶叫が響き、
女がメチャクチャに暴れた。
そのため、
女を縛っていた縄が
外れそうになった。
焦った男は女のアキレス腱と
手首の腱を包丁で刺し、
女を動けなくした。
いや、
動かなくなった。
それを見て冷静さを取り戻した男は、
すぐに逃げようとした。
すると、女が呟いた。
「アンタノトクチョウゼンブオボエテルンダカラ
ゼッタイニニガサナイ・・・」
それを聞いた男は気が狂ったように、
何度も何度も女の口に
包丁を突き立てた。
女が発見されたのは、
翌日の昼過ぎ。
会社の上司が、
女が職場に来ないし
電話も繋がらないので心配し、
家を訪れたようだった。
玄関は開いていた。
上司は女の名を呼びながら
ドアを開けると、
家の中はまるで
地獄絵図だったという。
女は辛うじて生きていたが、
集中治療室で20時間近い
手術を受けた後、
結局亡くなってしまったらしい。
女は手術中、
ずっと何かを訴えかけるように
呟いていたという。
それ以降、
女が周囲の男達の夢に
出てくるようになった。
目の無い女が男達の夢の中で、
こう尋ねた。
「私の下の名前、覚えてる?」
女はいつも下の名前で
呼ばれていたし、
顔見知りなら覚えやすいし、
必ずといって言いほど
知っている名前だった。
何より、
漢字が特殊だったので、
大抵の知り合いはその名前を
漢字まで知っていた。
しかし、あの男は違う。
女の名前を見ていないはず。
だからこの質問で、あの男を
あぶり出そうとしているのだ。
もし・・・
あなたの夢の中で、
見知らぬ目の無い女が現れて
質問をしてきても、
決して答えてはいけない・・・
(終)
YouTube版の方、音響効果やばい。
ただでさえ怖いのに。
やばい。また霊障に悩まされる。のに、一回見ると止まらない。(涙)
へ?なんかもの音聞こえた、(いま、午前1:30)
気のせい、、、だよね?
ワタシノシタノナマエ オボエテル?