夜中、友人からの実況メール
近所の心霊スポットにまつわる話。
そこには奥行き5メートルくらいの所に
石碑がある洞窟があり、
夜中に友人からその洞窟を探索する
というメールが来た。
『これから洞窟に入ります』
『中は真っ暗です』
『石碑の写真を送ります』
と、メールや写真を送って
来ていたんだけれど、
『声が聞こえます』
というのを最後に、
メールが来なくなった。
心配したけれど、
翌日には何事も無かったかのように
友人は学校に来ていたから、
「あれからどうしたんだ?」
と訊いたら、
「何の事?」
と不思議そうな顔をする。
昨日の夜中に洞窟からメールを
送って来ていたじゃないかと言うと、
洞窟なんて行ってないし、
メールも送っていないと惚(とぼ)ける。
ずっと惚けるから昨日送ってきた
メールを見せたんだけれど、
やっぱりそんなメールは送っていないし、
そもそもメールアドレスが違うと言う。
調べてみると、
メールを送っていたのは
自分自身のアドレスからだった。
(終)
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