母のヤバさが一番の恐怖だった

頭蓋骨

 

私の曾祖母が霊媒師だったので、我が家は心霊系の話題がわりと日常でした。

 

そんな我が家の怖い実話をひとつ。

 

私は高校卒業まで、南西諸島のとある島に住んでいました。

 

高3の時、島の歴史を知るために色々と周る郷土学習の授業があり、そのコースの中に“風葬”と思われる、戦争時代の先祖の骨がまだ野ざらしになっている所がありました。

 

初めて行く私は友達と、「心霊写真とか撮れるかな?」なんて感じでふざけていました。

 

ところが、山の茂みをわけてその洞窟に着いた時、愕然としました。

 

目の前には、特大のポリバケツ10個に入った頭蓋骨の山…。

 

本物の異様な迫力に圧倒された私たちは言葉を失い、そこをいち早く後にしてバスに逃げました。

 

あまりのインパクトに、家に着くなり母にそのことを話したところ、「そこね、お母さんが小学校の時も授業で行ってねぇ、そのあと家に着くなりおばあちゃんが『お前、何連れて来た!』って言うのよ」

 

「何だったの?しょって来ちゃってたの?」

 

そう聞くと、「そうだったみたい。お母さんね、赤ちゃんの頭蓋骨を持って帰って来てたのよ、内緒で。小っちゃくて可愛くてね。でも、おばあちゃんには見えたみたいですぐバレちゃったけど」と…。

 

母が何かを連れて来たのをおばあちゃんが言い当てたとかうんぬんより、あんな場所から、しかも人様の頭蓋骨を家に持ち帰る母のヤバさが一番恐怖でした。

 

(終)

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