キャンプ場で
茨城県の建設会社に勤めていた時、
組合主催のバーベキュー大会に参加しろと
強制的に言われた。
せっかくの休みなのに
50キロ先のキャンプ場に行った。
先輩達は家族連れて来てて、新入りの俺に
「ビールもってこい、肉もってこい」の連発。
さらにその家族(奥さんや子供)からも
「肉もってこい、ジュースもってこい」
と言われる始末だった。
先輩達はビール10本以上は飲んだだろう。
顔が真っ赤でフラフラしてた。
そして「洗い物やっとけ」と命令されて、
一人でたくさんの鍋や網を洗うはめになった。
先輩達は家族を車に乗せ、
飲酒運転で山を下って行った。
俺は怒りの気持ちで
洗い物とゴミ集めしてた。
ふと気づくと見知らぬおじさんが現れ、
「大変でしょ?
あなただけに押し付けるなんてひどいね」と言い、
「あの人達は後で悪いことが起きますから」と、
キャンプ場の奥に消えてった。
後日、たくさんビール飲んで家族みんな
調子づいてた先輩(社長の息子)が、
役所と設計事務所からもらったデータを
紛失してしまうことが起きた。
工事はストップ。
しかし、社長の息子なので、
何のお咎めも無しだった。
別の先輩は飲酒運転で逮捕。
また別の先輩は痛風がひどくなり退社。
人数が少なくなり、現場での仕事が
もの凄く増え、午前様の毎日で鬱病になり
長期休養をせざるを得ない先輩もいた。
あの時の、おじさんの言う通りになった。
俺は、罵声と暴力を受けながら、
睡眠時間3時間の毎日に体調崩し、
一番忙しい時に会社を辞めてやった。
後でネットで調べたら、
そのキャンプ場は霊が出る場所だと知った。
あのおじさんは何だったのだろう。
(終)
「あの人達は」って言われたのに、主人公もだいぶ酷いめにあっててかわいそう…。