葬式の最中にあった奇妙な体験談
これは、葬式の最中にあった奇妙な体験談。
病死した年下の従弟の葬式に出席した時に、手首に巻いていた腕時計がふと気付くといつのまにか外れて床に落ちていた。
拾って再び巻いたのだが、気が付くとまた外れて落ちている。
今度はキツメに巻いてみたが、やはり結果は同じ。
そんなことを何度か繰り返した後、ふと思い出した。
従弟が生前その腕時計をとても気に入り、しきりに譲って欲しがっていたことを。
もしかすると従弟があの世への手向けに欲しがっているのか?と思い、最後の別れの時に棺の中に一緒に入れてやった。
その日の晩、渡した腕時計を巻いて得意げに笑う従弟の夢を見た。
(終)
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