深夜二時に突然訪れて来た見知らぬ母と子
これは、心霊の類だったのか?はたまた夢なのか?という体験をした話。
私は以前、中学生を相手に家庭教師をしていたことがある。
それは学校が夏休みの夜中、当時一人暮らしだった私は寝ているところを「ピ~ンポ~ン」と鳴った呼出チャイムで起こされた。
時計を見ると、夜中の二時。
「なんだよ、こんな時間に・・・」と思いながらドアを開けると、小学生くらいの子供を連れた、見知らぬ若い母親と思われる女性がいた。
そして突然、「ごめんなさい。うちの子に勉強を教えてあげてほしいんです」と頼んでこられた。
その時は何の疑いもなく、因果な商売をしているんだなと思った私は、その子を自室に入れた。
母親は、「二時間したら迎えに来ますので」と言って姿を消した。
子供相手だからと、お菓子とジュースを出して一緒に勉強していた。
しばらくした頃、母親が部屋に現れて、子供の手を引いてお礼を言いながら部屋から出ていった。
・・・と、時計を見たら午前四時。
「あれ?ドアは施錠したままだし・・・」
それに、なぜか私は布団の中にいた。
「あ、夢を見ていたのか」
しかし、起き上って周りを見回すと、ジュースを飲んだ後のコップが二つと、封を切ったお菓子の袋が置いてあった。
正直、未だに何が起きたのかよくわからない。
(終)