霊感が強い先輩に言われた将来のこと
これは、仕事にまつわる少し不思議な話。
今から20年近く前、俺がまだ大学生だった頃、サークルの先輩から「君は将来、電気関係の仕事に就くと思うよ」と言われたことがあった。
その先輩は霊感が強いことでサークル内でも一目置かれていた人だったが、さすがに法学部所属の俺が電気関係・・・というのは無理がありすぎた。
そもそも俺は、理系分野が全般的に苦手だ。
そう言って笑い飛ばした俺に対して先輩は、「最終的に選ぶのは君自身だけど、君の祖父が二人ともそちらの道に進んでもらいたがっているから」と言った。
少し突っ込んで話を聞いてみると、祖父は父方も母方も電気関係の仕事に従事していて、孫である俺にもその道に進んでほしがっているという。
ちなみにどちらの祖父も、俺が子供の頃に亡くなっている。
当時、俺は一人暮らしをしていた。
なので盆か正月に帰省した時にでも、祖父がどんな仕事をしていたのかを両親に聞いてみようと思いつつも、結局は聞かずじまいで20年近くが経ってしまった。
月日は経ち、昨年末に大学生の頃の夢を見たのをきっかけに件の話を思い出し、この正月休みに両親に聞いてみた。
すると、先輩が言っていた通り、父方の祖父も母方の祖父も電気関係の仕事をしていたとのこと。
そして気付けば、俺は最近になって電気関係の資格を取得し、今年の2月からそちらの業種への転職が決まっている。
偶然か?
それとも先輩の言葉が無意識に刷り込まれていて、それに影響されたのか?
自分でもよく分からない。
(終)