通報された内容に全身が凍りついた出来事
これは、私が大学生だった頃の体験話です。
その日、友人2人と私の3人で、関西にある有名な『心霊スポットのトンネル』へ肝試しに行きました。
友人が自動車の免許を取って間もなかったことと深夜だったこともあり、妙にハイテンションだったのをよく覚えています。
道中くだらない話をしながら1時間ほど車を走らせていると、件のトンネルに到着しました。
車で通るか、歩いて通るか。
友人らと少し揉めたのち、街頭も少なかったかったので車で通ることに。
期待とは裏腹に、結局その時は何も起こりませんでした。
私たちは「つまんねーなー」と騒ぎながら何度もトンネルを行ったり来たりしていると、トンネルの向こう側からパトランプを光らせながらこちらに向かってくる車両が見えました。
警察のパトロールか?
そう思いながら停車して待っていると、パトカーから警察官が降りてくるや、こちらに向かってきました。
深夜に結構なバカ騒ぎをしていたので、もしかして周辺の住民の方に通報されたのかなと思っていると、警察官から開口一番に予想外なことを聞かれました。
「もう一人の女性はどこ?」と。
私も友人2人も男。
私たち以外に車も通っていなければ、住民の方とも遭遇していないため、当然3人とも何のことかわかりませんでした。
3人でオロオロしていると、その様子を見た警察官が何かを悟ったような顔をしていたので、「何かあったんですか?」と尋ねてみました。
すると、近隣の住民から通報があったとのことでした。
やはりバカ騒ぎし過ぎたかと少し反省していると、警察官はその通報の内容を教えてくれました。
「天井の屋根に女性が四つん這いで掴まりながら車を走らせて騒いでいる」と。
それを聞いた瞬間、全身が凍りつきました。
もう少し詳しく尋ねてみると、そういった目撃情報がこれまでも何度かあったそうですが、未だに真相がわからないとのことでした。
私たち3人は、とてつもない恐怖に怯えながら帰路につきました。
安全運転で山道を抜け、近くのコンビニに寄り、落ち着くまでにかなり時間がかかりました。
車の所有者である友人には申し訳ないですが、ただただ自分の車ではなかったことが幸いです…。
後日談などは特にありませんが、それ以来、決して心霊スポットに行かなくなりました。
(終)