心霊スポットとして地元で有名な公園にて
これは、『心霊スポット』として地元で有名な公園の話。
その公園は高台にあり、花見のシーズンには人で賑わい、週末だと展望台に人がよく集まる。
ただ、夜になると心霊スポットになり、若者がよく肝試しに行く場所として知られている。
俺も友人と何度か行ったりしたが、特に何もなかった。
中には幽霊を見て泣いた人がいるとか、車を置いて逃げたとか、そんな話も耳にした。
この公園に行ったのは、それっきりだった。
それから20年が経ったある日、バイクを買ったこともあって一人でその公園へ昼間に行ってみた。
昼間なら怖くないだろうと思い、駐車場から公園までの道を歩いて登った。
途中、犬を散歩させている40代くらいの女性と出会ったきりで、それ以降は公園内にも誰ひとりとしていなかった。
ほどなくして展望台に着く。
すると、強烈な視線を感じた。
木樹が風でざわめき、余計に何かしらの存在を感じた。
それも異常な程に。
俺は怖くなって駐車場へ走ったが、視線と存在感は後ろを付いて来ていた。
駐車場に着くや、急いでバイクにまたがり、公園を後にした。
それからしばらくして、こんな話を聞いた。
その公園に出る幽霊は、犬を連れた女性だという。
(終)