深夜の間違い電話に思わずキレたら

黒電話

 

懺悔の意味も込めて・・・

 

着信の電話番号通知なんてものが

無かった頃のお話です。

 

ジリリリリーン

ジリリリリーン

 

深夜2時を回った頃、

電話が鳴り響きました。

 

眠かったので無視しようと思ったけれど、

 

一人暮らしの狭いアパートでは、

布団を被っても煩くて眠れたもんじゃない。

 

※煩くて(うるさくて)

 

仕方なしに電話に出ました。

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深夜に掛けてきた電話の相手は・・・

「はい」

 

「ひとみ~愛してるよぉ~

ひとみ~ひとみ~」

 

私は『ひとみ』ではありません。

 

明らかに酔っ払っている様子の男に、

間違い電話である事を告げて切りました。

 

ものの10秒も経たないうちに・・・

 

「ひとみぃ~なんで切っちゃうんだよ~

愛してるよ~ひとみぃ~」

 

3回ほど間違い電話だと教えてあげましたが、

どうも理解出来ないようです。

 

その後は十数回、

 

返事もせず受話器をただ上げて

降ろす作業を繰り返しました。

 

それでも尚しつこく掛かってくる電話に

イライラした私は、

 

再び電話に出ては相手の言葉を待たずに

暴言を吐き捨てました。

 

誤解されたままでも、

 

嫌われたと思えば電話を止めるかも

知れないと考えたのです。

 

「しつこい」ガチャン!

「うるせーよ!」ガチャン!

「気持ち悪い」ガチャン!

「ばーか!」ガチャン!

・・・・・・

・・・・・・

・・・・・・

「しね」ガチャン!

 

次に掛かってきた電話の男は、

私が言葉を発する前に叫びました。

 

「今から殺しに行くからな」ガチャン!

 

その後、

電話は掛かって来ませんでした。

 

どうなったのかは知りません。

 

電話線を抜けば良かったのに、

と思う方もおられるでしょう。

 

私も翌日それに気が付きました。

 

ひとみさん無事かな・・・

 

(終)

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