イタズラ電話が招いた恐怖
俺は子供の頃に、十円玉があれば公衆電話でよく『イタズラ電話』をしていた。
やり方は、適当な番号を押して繋がったら相手が切るまで無言で待ち、繋がらなかったらもう一度適当に番号を・・・というのような感じだった。
その日も、下校途中にイタズラ電話を開始。
何の用?
すると電話には男性が出て、「もしもし?何か用ですか?」と言ってくるが無言を貫き、「イタズラかよ!」と言って相手が切ったのを確認して俺はほくそ笑む。
満足した俺は、受話器を戻して家に帰った。
そしてしばらく居間でゴロゴロしていると、家の電話が鳴った。
いつもは家族の誰かが出るのだが、その時は俺以外に誰もいなかったので仕方なく電話に出ることに。
俺は「もしもし~」と話しかけると、向こうからは「何の用?」と返された。
かけてきたのはそっちだろ!と思ったが、「何がですか?」と返事をすると、「さっき電話かけてきたけど何の用?」と言われた。
もしや、さっきの男性か?
俺は頭の中が真っ白になり、怖くなって「何でもないです」と言ったら、男性は舌打ちをして電話を切った。
そんな事もあり、俺は「悪い事は出来ないなあ・・・」と心を改め、それ以降はイタズラ電話をやめた。
だが、今思い返してみると、あの時は公衆電話から発信していて、ましてや無言だった俺の家の電話番号を特定するなんて有り得ないはずだ。
それに、公衆電話で聞いた男性の声と、家の電話で聞いた男性の声は同じだったと認識している。
2001年くらいの出来事だ。
(終)