恥ずかしそうに尻餅をついたお父さん
『ドスーン!!!』
上の2階から、
派手な物音が聞こえてきた。
今の、何の音!?
今、2階にはお父さんだけしか
居ないはず。
そういえば、
お父さんは最近ずっと調子悪そうだった。
嫌な予感・・・
お父さん、
病気で倒れたとかじゃないよね?
急いで2階に向かった。
階段を駆け上がり、
扉を開ける。
「お父さん、大丈夫!?」
「ああ、ミキ。
驚かせちゃったかな?
ごめんごめん。
お父さん、
椅子から落ちてしまったよ。
ハハハ」
ジャージ姿のお父さんは、
床に尻餅をついていた。
今日はお休みなのに、
何故か側にはネクタイが。
「もおー、びっくりしたよー。
腰打たなかった?大丈夫なの?」
「ハハハ、ごめんね。
大丈夫だよ。
ミキには恥ずかしいところを
見られちゃったかな」
「ふふふ(笑)本当!
もう、気をつけてね」
お父さん、
怪我していないようで良かった。
ひと安心だ。
でも、尻餅をついて恥ずかしそうに
していたお父さんの姿・・・
面白かったなあ。
そうだ!
お母さんが帰って来たら、
さっきのお父さんのこと報告しよう!
きっと、爆笑間違いない気がする!
(終)
解説
お母さんが帰って来る頃には、
お父さんはこの世にいないかも知れない。
お父さんは側にあったネクタイで、
首を吊ろうとしていた。
しかし、首吊りに失敗して、
転んでしまったのである。