娘を殺された父親の心境
ある閑静な住宅街で、
女子児童暴行殺人事件が起こった。
女児が見るも無残な殺され方をした為、
人々の注目が集まる事件となった。
テレビ局はニュースの報道をすべく、
被害者の父親にインタビューを行うことにした。
「今のご心境は?」
「心境もなにも・・・信じられません・・・
今でもあの子が帰ってくるような気がして」
「○○○ちゃんは、
どんなお子さんだったのですか?」
「いつも元気に走りまわって、
にこにこと笑顔の可愛い子でね・・・
本当に信じられない・・・」
「犯人に対して、
言いたい事はありますか?」
「言いたいことなんて何もないですよ。
一刻も早く捕まえて死刑にして欲しい。
こんなやつ、人間じゃない」
「最後になりますが、
何か言いたいことはありますか?」
「・・・警察の人には頑張ってもらって、
一日も早く犯人を捕まえに来て欲しいと
心から願っています」
この報道の後、
すぐに犯人は逮捕された。
そして・・・
父親の望んだ通り、
犯人は極刑となった。
(終)
解説
犯人は、この父親である。
父親は犯人のことを『こんなやつ』と、
身近にいる存在のような言い方をしている。
さらには、
『一日も早く犯人を捕まえに来て欲しい』
などと、
おかしな言い方をしている。
本来なら「捕まえてほしい」と、
言うべきではないだろうか。
『捕まえに来て』だなんて、
犯人が家の中にいる人物であると
知っているような言い方だ。
ちなみに、
この話は90年代に実際に起きた
殺人事件を基にしている。
その事件とは、
父親が多額の保険金目当に
我が子を殺してしまい、
まるでこの話と同じように、
テレビニュース番組のインタビューで、
おかしな発言をしていたとのこと。